守ってくれますか?
ざざ・・・・ん・・・・



潮の匂いが香る。

ここは・・・・・海?



「ここは・・・?」

幼い私がぱっちりと目を開いた。
と同時に、顔をしかめた。


「イタッ・・・」

頭を手で押さえる。

地面に打ってしまったらしい。



「ふぅ・・・まさか、ワープ魔法そのものを消そうとするとはのぉ。ああ、びっくりしたの。」


暢気な声・・・・・リヨンだ。



「ここ、どこだ?ヒカリ、だいじょうぶか?」

ヒカルがリヨンと幼い私に聞く。


「・・・・・ん。だいじょうぶだよ!」

幼い私は微笑んだ。



「ここは、フローレの海岸じゃ。・・・さて、行くかの。」

よっこらせ、と、座っていたリヨンは立ち上がった。



「「どこにいくの?」」


幼い私とヒカルの声がハモる。



リヨンは柔らかく微笑んだ。


「これからお前達を育ててくれる人のところじゃよ。」




・・・・・それってつまり、父さんと母さんのこと?


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