守ってくれますか?
ヒカルがリヨンを見つめた。


「つまり、おれらはパパとはくらせないってことか?」

リヨンは顔を曇らせた。


「フウは、死んだじゃろう。」



「えっ・・・・・・そんな!!!なんでっ・・・」

「うそだろ・・・・・?」


幼い私とヒカルがうろたえる。


だけどリヨンは息を吸い込むと、淡々と告げた。




「嘘ではない。フウはゼロの相手をしたのじゃ。確実に、殺されたじゃろう。ゼロは、強いからの。」


そして、ふぅっと息を吐き出し、幼い私とヒカルに頭を下げた。



「すまぬ。わしの力不足じゃ。クウとフウを、死なせてしもうた。
許してくれとは言わぬ。ただ・・・・・
恨まないで欲しい。」

そして、顔を上げ、幼い私とヒカルを見つめた。
老人とは思えないほどの、威圧感をだして。


「おぬしらが、人を恨み、憎んではいけない。闇に・・・沈んではいけない。
おぬしらには、真っ直ぐに生きる義務がある。
そうせねば・・・・・【魔の国】に希望は無い。」

萌黄色の瞳には・・・強い強い光が宿っている。



「頼むぞ・・・・・。」

小さな小さな呟き。





【魔の国】の希望?
それが、私とヒカルに関わっているの?










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