守ってくれますか?
「俺も一緒に行っていいか?」

威厳のある声がそう申し出た。

・・・・・ナオ様だ。


ヒカルはきゅっと真一文字に唇を引き締めた後、低く言った。

「ナオ、お前の気持ちはわかるけど、無理だ。【魔の島】には、【魔の島】で生まれた奴しか行けねぇんだよ。悪いな。」


ナオ様はフッと微笑した。
不敵に。

そして、なぜかシオンを見た。

「なぁ、シオン?お前は“魔神”なんだろう?ならば、知っているよな?」

ナオ様はニヤリと笑う。

シオンは、はぁーっとため息をつき・・・

「言うと思ったんだよ・・・。あーあ、やれやれだよ。」

うんざりと言った。

「あたし・・・王族は巻き込みたくなかったんだよ・・・・・。」
ボソッと呟く。


だけど、すぐに真っ直ぐに背を正した。
凛とした眼差し。

「ナオ、確かにアンタは【魔の島】に行けるよ。王族だからね。」

「「はぁ!?行ける!?」」

私とヒカルの素っとん狂な合いの手が入る。


シオン、どーゆーこと!?



シオンは再びため息をもらすと、面倒くさそうに言った。


「ナオ、説明。あたしは疲れたから寝る。」

シオンはそう言うと、通路の真ん中に、寝そべった。


・・・・・・・・シオン、通路なんだけど・・・・


そして、5秒としないうちに、スヤスヤという寝息が聞こえてきた。

シオン、寝るの早っ!!



驚いていると、ナオ様が苦笑しながら、私とヒカルを交互に見た――・・・




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