守ってくれますか?
「まさか俺の言葉を聞いて、俺以外の奴をヒドイと思うとはな。
・・・しかも、俺相手にハッキリと意見を言うとは・・・・・」
考え深げに王子様は言う。

私の行動、そんなに変わったことかなあ?

「俺相手に、そんなにハッキリ意見を言ったのは、ヒカリが初めてだな。」
王子様は笑って言った。

ドキッ!!

その穏やかな笑顔に、一瞬鼓動がおかしな音を立てた。

・・・・・王子様。
その笑顔は反則です・・・。

不覚にもときめいてしまった自分の心に、私は鞭を打つ。

ときめいてんじゃないよ!ヒカリ!!
あんた、男を意識する余裕なんてあんの?
ないだろ?
だいたい、相手は王子様だぞ?
私なんかがときめくなんて、失礼だろうが!!!

・・・私は現実に戻った。
そして、話を本題に戻した。

「王子様。とにかく、王子様のような高貴なお方と、私のような汚らわしい者が一緒に寝るなど、とんでもないことでございます。
どうか、考え直してくださりませんか?」

「考え直す気など、全くない。ヒカリは俺と寝るのだ。」

王子様、即答しないでください・・・

「ナオ様、ヒカリの言うとおりですぞ。どうか、考え直しを・・・」
「うるさい。」

王子様がイライラと言う。
「お前ら2人とも、俺に逆らえるとでも思っているのか?」

その言葉に、私もじいやさんも、ぐっとつまった。

「逆らえないのだろう?
ヒカリ、来い。」

王子様が私の手首をつかみ、ドアノブに手をかけた。

・・・・その時・・・

「あ!いたいた!!ナオ~!お前人を買ったんだって?」

陽気な声が聞こえた。
< 38 / 598 >

この作品をシェア

pagetop