守ってくれますか?
「俺の先祖の時はまだ“漆黒の神”なんていう組織ができていなくて、自由に他の国や土地に行けたんだ。
だから、先祖はこの土地を見つけ、国へと育てて初代国王になった。
随分と頭のいい、知恵のある先祖だったらしい。」


なるほどー・・・


「・・・・・・・・・なぁ、ナオ、一つ聞いていいか?」
ヒカルが感情を抑えた声で聞いた。

「なんだ?」
ナオ様の声も、感情が抑えられている。

ヒカルは深く息を吸った。
そして、一呼吸置いて言った。



「ナオ、お前は本来ならば、俺とヒカリを“漆黒の神”へ渡さなくてはいけないんじゃないか?」


ナオ様は、グッと拳を固め、低く応じた。

「・・・・・そうだ。」



・・・・・・・・・ドクンッ・・・・・

心臓が大きく跳ねた。



ヒカルが真っ直ぐにナオ様を見た。

きらめく黄金の瞳が、深い緑の瞳を捉える。



「でも、俺らと一緒に行くんだよな?俺らを渡さねぇんだよな?
・・・っつーか、ヒカリを渡せるわけねぇか。」

そう言うと、ヒカルはにっと笑った。

ナオ様もそれに応えるように、フッと笑った。

「ああ。一緒に行く。渡すわけない。絶対に・・・渡せるわけない。」

キッパリとした口調。


思わず、ほっと胸を撫で下ろした。



――よかった・・・・・



でも・・・・・


「なんで私?ヒカルは??」



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