守ってくれますか?
「でも良かったです。私達、“漆黒の神”に渡されないんですね!ありがとうございます、ナオ様!」

にっこりと微笑んだ。


「・・・・・・当然だ。」

ナオ様は小さく呟いた。


「『当然』か。相変わらずお優しいですね、ナオ様は。
ですが・・・一緒に行くことはご遠慮頂きたいです。」


ナオ様がピクリと右眉を持ち上げる。


「俺もヒカリの意見に同感。ナオ、お前はさ、王子様なんだろ?王位継承者なんだろ?なら、ここに残るべきだ。戦争ってことになっちまう。」

ヒカルがキッパリと言う。

私もコクコクと頷く。

ナオ様は首を振った。
その後、ヒカルを見た。



「ヒカル、俺に黙ってここでお前達の安全を思えと?そんなことが、俺にできるとでも?」


ヒカルは深くため息をついた。

「できねぇよな。うん。それもわかるんだよ・・・」


私も思わず頭を抱えてしまった。

「うぅ~・・・ナオ様の気持ちも痛いほどわかるよぉ~・・・。私も10年間ヒカルのこと待ってたんだもんー・・・」



「じゃ、ナオ、一緒に行くか☆」

この状況に不似合いな陽気な声・・・シオンだった。


「起きたんだシオン・・・。」

「うん。ヒカリが頭抱えてたとこで起きた。」

そうかい、そうかい・・・って。

「それじゃ、ほとんど話わかんないじゃん!」

「うん。でも、ナオ行くんでしょ?どーせ。」


『どーせ』って・・・・・


「ナオ自身が行くと決めたら、絶対行くよ。ナオはそーいう奴だ。」



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