守ってくれますか?

「役人達が“力”を使うより先に操縦したか。お見事じゃ。」


突如響く、しわがれた声。





ドクンッ・・・・・


この声って――





「リヨンか。」

シオンが、凛とした声を放つ。


リヨンが、浮いていた。
微笑を浮かべながら。


「おお、魔神かの。お会いできて光栄じゃ。」

穏やかな声。

だけど、油断しちゃいけない。
この老人は、何を考えているかよくわからないから。


「こちらこそ。お会いできて光栄だ、賢者。」

「魔神に言われると照れるのぉ・・・///」

・・・・・ちょっとぬけてるのは確かなんだけど。



リヨンが、真っ直ぐにナオ様を見た。
微笑はまだ、消えていない。



「フローレの王子よ。来てしまったか。それは、裏切りじゃぞ?もしかしたら・・・王と戦うことになるかもしれぬぞ?」

「構わない。俺は、自分を弱虫にしたくない。」

真っ直ぐにリヨンを見つめ返すナオ様。


リヨンが顔をしわくちゃにして笑った。


「そうか・・・そうか、そうか。」

嬉しそうな声。


本当、何を考えてるんだろ?



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