守ってくれますか?
「漆黒の神の仲間になったのは、償うためじゃ。」

「レインとゼロにか?」

「そうじゃ。」

では、賢者の“してしまった事”は、漆黒の神ができる前に起こったということか。


「それならば、なぜヒカリとヒカルを逃がした?」

「それも、レインとゼロに償うためじゃ。」

思わず、眉をひそめた。

「・・・・・矛盾しているぞ。レインは2人が逃げるのを阻止しようとしておったのだぞ。」

「そうじゃの。だが、償うためじゃ。」

「だからっ・・・」

「2人・・・特にヒカリは、生きていなければならぬ。それも、真っ当な心でな。」

「なぜ?」

「彼女は・・・・・希望になるからじゃ。」


希望?


「そして、ヒカリが希望になるためには、ヒカルの力が必要不可欠じゃった。だから、逃がしたのじゃよ。」



あぁ、駄目だ・・・・・

「意味が解らない。」

「そうじゃろうな。順を追って話すかの。」

「最初からそうしろ。」


ギロリと睨めば、賢者が苦笑いした。


「すまぬのぅ。全て話す勇気が無かったのじゃ。」

「今はあるのか?」

「少しじゃがな。」

「・・・・・あるのならいい。全て吐き出せ。」


あたしの言葉に、リヨンは、泣き出しそうになった―――


分かっておるとも。
汝がずっと抱え込んでいたということくらい。



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