守ってくれますか?
「遅くなった。すまない。」

「いいけど・・・」

なんかシオン、雰囲気が・・・・・


「へぇ、“魔神モード”入ったんだ。」

ヒカルがさらりと言う。


“魔神モード”?

「あ、ナオ、ヒカリ。シオンちょっとお固くなったけど、気にすんなよ。」

「ああ、わかった。」

「うん・・・。」

なんかよく分かんないけど、“魔神モード”ってのに、入って、お固くなっちゃったってことだよね?


「本題に戻ろう。ヨナ、さっき私が言ったことは、当たっているだろう?レインはゼロには感情を隠そうとする。逆に言えば、ゼロには感情が出てしまうということだ。そうだろう?」

「ご名答。リヨンから聞いたんだろ、魔神?」

「そうだ。だから、我がとりあえず皆を退かせる。それから説明をするとしよう。良いだろう?ヨナ。退かせるのだから。」

「・・・・・解った。早く退かせろ、魔神。私は機嫌が悪いんだ。」

「そうか。すまなかったな。・・・辛いだろうに。」

「・・・・・・・早く、退きなさいよっ。」

ヨナの声は、震えていた。

何かに、耐えるかのようにきつく握り締められた拳。


何が辛いの?


その一つの疑問を残して、とりあえず、私達は退くことにした。









――――――――――――――・・・・・・・・・・・・・・・・


私達は、城から少し離れた空き地に腰を下ろした。

シオンが、真っ直ぐに私を見た。


なんでか、私だけを。



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