守ってくれますか?
スゥッ――
ヨナが、腰の鞘から細い剣を引き出した。
柄には、美しいルビーがはめ込まれてあり、その大きなルビーの周りを、蔦のような模様で囲まれている。
美しい剣だった。ヨナに映えた。
「お前は、剣士だったな。」
「ただの剣士ではない。“魔剣士(マケンシ)”だ。自分の魔力が剣に宿り、剣から魔法を使うことができる。」
「・・・そうだったか。厄介だな。」
「そうだ。だから、おとなしく退け。」
「それは断る。」
「そうか・・・では、仕方が無い。」
ヨナがクッと構える。
「手加減無しでいく。私は機嫌が悪い。」
「俺も手加減はしない。丁度いいな。」
そういい終わった途端――
スッ
ヨナが距離を詰めた。
「ファイアーソード。」
張り詰めた声で言い放つ。
“ファイアーソード”―炎の剣―
俺の凍結能力との相性は最悪だ。
もしかして・・・
「俺の超能力、覚えていたのか?」
「勿論だ。私は漆黒の神の副リーダーだ。」
冷たく言うとヨナは、炎をまとった剣を、振りかぶった。