守ってくれますか?
ヨナは目を見開いた。

「レイン様に希望を・・・?ありえない。」

「ありえない?あのヒカリがやるのだぞ?」

「・・・・・・・・・そうだけど・・・・・」


ヨナは眉間にしわを寄せている。


「私達みたいな第三者の言葉なんて、伝わらないと思う。だいたい、今はレイン様自身、慌てているから。」

「慌てている?」

「ゼロがあとおよそ10時間で死ぬみたいなの。だから、最善をつくそうと・・・」

「ああ。」


そういうことか。


「大丈夫だ。その辺の事情は俺らも知っている。」

「ああ、そうね。魔神がいたものね。でも・・・実際、ヒカリ達に何ができるのよ?」


思わず詰まってしまった。

そうだ。

ヒカリとヒカルは、具体的にコレをしろ、と言われたわけではない。
どうすれば希望を与えられるのか、知らないかもしれない。



「・・・まぁ、いいわ。ヒカリなら、なんとかするでしょ。ヒカルもいれば、尚更。」

ヨナはあっさりと言った。


「なぜ、そんなことが言える?仲間でもないのに。」

「あの2人は、レイン様にとって“特別”だからよ。」

「“特別”?」

「そう。レイン様がロゼを亡くして初めて興味を示した人達。」


人“達”?



「ヒカルもなのか?」

「ええ。欲しがっていたのはヒカリだけど、知りたいと思っていたのはヒカルの方よ。」





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