守ってくれますか?
ハッとして悲鳴の方を見ると・・・・・

レインが、またもや剣をロゼに向け、迫っていた。


バッとヒカルが動いた。そして、レインを後ろから羽交い絞めにする。


「やめろ!早まるなっレイン!!!」

「うるさい。もう、潮時だと言っただろう。」

「あなたの本心ではないと、言ったけど?」

私は、自分でも驚くぐらい冷静な声で淡々と言った。


真っ直ぐに、レインの漆黒の瞳を見つめる。


「教えて。“あなた”の本心。」


レインが私を見つめ返す。

ヒカルが、そっとレインを離した。レインは、だらりと腕を下げ、剣を落とした。カラン・・・という音が、静かに響く。

ロゼは、まだぷるぷると震えている。ぼろぼろと、涙を流している。



「お前の瞳には・・・敵わないな。ヒカリ。」

かすれた声。
そして、自嘲気な笑み。

私はそっと目を閉じる。


―レインに、希望を―


シオンの声が脳内に響いた。



私はそっと目を開く。



「レイン・・・教えて?あなたの悲しみを。苦しみを。絶望を。」


あなたが纏う、闇を。



そして―――




「私に、救わせて?」





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