守ってくれますか?
「なにしろ、実の兄が殺気ふりまきながら、剣を向けてくるんだもんな。」

さらりとヒカルが言う。


ロゼが苦笑いした。

「はい。その通りです。」

さらりと答える。


いや、待てよ、お2人さん。

普通、そういう辛いことをさらりと言う!?



「レインお兄ちゃん。」

ロゼが真っ直ぐにレインを見た。

漆黒の瞳は、きらきらしている。


「ごめんなさい。」


ペコリ。

ロゼが頭を下げる。


「辛い思いさせちゃって、ごめんなさい。」


レインが、じぃっとロゼを凝視している。

ロゼが、頭を上げた。


「本当にごめんなさい。でも、とりあえず、一発ビンタさせて。」




――――――――は?


ビンタ?



レインが眉間にしわを寄せた。ロゼを凝視したままだ。



「なぜだ?」


ロゼはキッとレインを睨みつけた。


「“なぜ”ですって!?」





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