守ってくれますか?
『歯ぁ食いしばっとけ!!』
『逃げなさいよっ・・・・・・』

矛盾、してるよ。ロゼ。


思わずクスッと笑ってしまった。


「レイン。」

「・・・・・・・なんだ。」


レインは本当に叩かれるとは思ってなかったらしく、困惑しているみたい。

ああ・・・爆笑しちゃいそう。


笑いをグッとこらえ、レインの瞳を見つめた。


「ロゼに“ごめんなさい”は?」

「は?」


おいおい。


「なんで『は?』なの?“ごめんなさい”でしょ!」

「叩かれたのは俺なんだが。」

「叩かれるのは当然。」

「なんで俺が謝らなければならない?」

「決まってるでしょ?ロゼを傷つけたから。泣かしたから。」

「・・・・・・・」


レイン・・・沈黙って・・・・・

半ば呆れていると、レインがため息をついた。


「・・・・・・ロゼ。悪かった。ごめん・・・」

小さい呟き。

だけど、ちゃんと聞こえた。


ロゼが笑った。
花が咲くように。明るく。


私も微笑み、レインに言った。


「合格♪」

「・・・・・どうも。」




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