守ってくれますか?
「「駆け落ち?」」


またハモった。

ってか、なんで皆してソレを言うんだよ。

普通に考えてありえないでしょ。

そもそも、駆け落ちは一日で終わるものではないだろう。


「違います。駆け落ちじゃありません。ありえません。」

「じゃあ、何?」

ヨウコさんが簡潔に問う。


何って・・・なんて言おう・・・・・

うーん・・・・・

何か、上手い言い訳、ないかなぁ?


私が黙ると、今度はじいやさんが口を開いた。

「ヒカリ。正直に話してくれ。お願いじゃ。わしは、知りたいのじゃ・・・」


じいやさんの声は、真剣で、真っ直ぐだた。


ストン、と、私の中に入ってくる言葉達。


うん。話すべきだ。

じいやさんにも、ヨウコさんにも。

2人は、ナオ様を本当に気にかけている。

話さないと、失礼だ。


後で、カー君にも話そう。ちゃんと。

カー君も、心の底から心配してくれていたのがわかったから。



そうして私は2人に話したんだけど・・・


話し終わると、2人はぐっと顔を強張らせ、私に拳骨を1人1発ずつ、お見舞いした。

渾身の拳だったはずだ。たんこぶができたと思う。


拳骨の後、2人は同時に怒鳴ったのだ。



「「このっ大馬鹿者がっ!!!!!」」



< 506 / 598 >

この作品をシェア

pagetop