守ってくれますか?
ぷるぷると、体が小刻みにふるえている。

情けない。

ぎゅうっと唇を噛み締める。

情けない。

あれだけで、へたり込んで、ふるえるなんて。


情けないっ!!!


手を握り締める。


くそっ

悔しいっ・・・・・




「ヒカリ、大丈夫か?」

ナオ様が、私の顔を覗きこむ。


私は微笑んだ。



あー、もう、やだっ!!!

なんでこんな弱弱しい笑顔しか作れないのよーっ!!!



「大丈夫です。ナオ様。あの、私のこと信じてくれて、ありがとうございます。」



へへっと笑った。


「すごく・・・嬉しかったです。」



すごくすっごーく、嬉しかった。


ナオ様がアンリ様じゃなくて、私を信じてくれた事が。

泣いちゃいそうだったぐらい。



「本当に、ありがとうございます。」



私は、頬を赤くしながら、笑った。




< 531 / 598 >

この作品をシェア

pagetop