守ってくれますか?
「冗談だと思う?私がこんな冗談言うと思う?」


ヒカルは私から目を逸らし、視線を空へ向けた。


「思わない。お前は、そんな危ない冗談言わねぇ。」



『危ない冗談』


そうだ。

あまりに危ない言葉じゃないの。


『恋してた』なんて、ヒカルに軽々しく言っていいものではない。

私とヒカルは、そんなこと、冗談で言ってはいけない。



「分かってんじゃん。私、本気で言ってるの。」




ヒカルの視線が、私の瞳に戻ってくる。


射るような、刺すような視線。


その視線は問いかけていた。


『壊す気か?』と。

『俺らの今の関係を壊す気か?罪をかぶる気か?』と。



私はゆっくりと頭を横に振る。



「違うよ。ヒカル。今私が恋してるのはナオ様。

私は、アンタに、現在進行形で気持ちを伝えられるほど、強くない。

1つの、思い出として。今までの私の気持ち、伝えようと思ったの。

私・・・・・・・・・・やっと、認めることができたから。」



私はヒカルを見つめた。

真っ直ぐに。


「今、伝えなきゃ、伝えられないと思ったの。」





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