守ってくれますか?
ヒカルがそっと頷く。


“分かった”そんな言葉が聞こえてきた気がした。



「ヒカル、聞いてくれる?」


「ああ。聞くよ。ちゃんと聞く。っつーか、聞かせて?」



ヒカルが、笑った。

優しくて、柔らかくって・・・でも、切なげな笑顔。



「ありがと。

あのね、ヒカル。私ね、6歳の時・・・・・ヒカルに恋してるって、気付いたの。
でも、認めたくなかった。

だって、そうでしょ?私とヒカルは、血が繋がってるんだから、さ。

ま、そもそも恋愛の“好き”と家族の“好き”の違いなんて、よく分かんなかったしね。」


よく分かんなかった。

けど、心のどこかでは、うっすらと理解していた。

おぼろげだけど、確実に気付いていた。


でも、認めたくなかった。

だって、それはとても哀しいものだから。




「ねぇヒカル。私の初恋は、アンタなの。
そんでもって、ファーストキスも、アンタなの。」



にっと笑った。



「もちろん、初彼も、ね?

覚えてるでしょ?忘れたなんて言わせない。
“恋人ごっこ”のこと。」




ヒカルは“恋人ごっこ”の単語を聞くと、苦笑いした。




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