守ってくれますか?
「忘れるわけねぇよ。忘れられねぇ。」

「・・・・・そうだよね。」


忘れられるわけ、ないよね。












―9年前―



公園で、高校生ぐらいのカップルがキスしているのを見たとき、私とヒカルは6歳だった。



その時、すでに私達は、自分達が“超能力”というものを持っていることを、知っていた。


迷っていた時だった。


自分達が、何者なのか知りたい。

今一緒に暮らしている両親は、本当の両親なのか知りたい。

なんで自分達に超能力があるのか知りたい。


知りたいことはたくさんあったのに、知ることが怖くもあった。


どうすればいいのか、分からなかった。


知るために、動くべきか。

知らんぷりして、逃げるべきか。


深く、迷っていた。


そんな時、公園で、キスしている男女を見た。



そして、見たヒカルが言ったんだ。



「なぁ“恋人ごっこ”しようぜ。」
と。




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