素敵彼氏の裏の顔
ピーンポーン……
震える手でチャイムを押し、隼人を待つ。
その時間が一時間にも思える。
ドキドキドキドキ……
鼓動がやたら早い。
それでも隼人が出る気配がなく、
ピーンポーン……
再びチャイムを押した。
そして……
ガチャッ……
ようやく開かれたドアの先にいたのは、何だか顔色の悪い隼人だったのだ。
「あぁ、美優……」
隼人は気まずそうに頭を掻く。
「ちょっと風邪ひいて……」
どうやら翼の言葉は本当らしい。
ほっと肩を撫で下ろすあたし。
隼人がやられたわけではなくて、本当に良かった。