素敵彼氏の裏の顔



どうやら、淳ちゃんはあたし以上に隼人の家を訪れているらしい。

最近あんまり連絡も来ないなと思っていれば、隼人にべったりのようだ。

あんなに嫌っていたのが嘘のように。





「……何か用?」




隼人は冷静にそう聞いたが、明らかに声は怒っていた。

その怒りが伝わって、あたしは思わず身を引いた。

だが、さすがの淳ちゃんはがはははと笑い飛ばす。




「何か用じゃねぇよ!

せっかく心配して来てやったのに」




どうやら隼人の熱のことを知っているらしい。




「だけど、邪魔だったようだな」




そう言って淳ちゃんはあたしを見て、わざとらしく笑った。



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