クールな美女と腹黒王子の恋戦記
「すいません、わざわざ届けていただいて。
私昨日のことよく覚えてないんですけど、忘れてもらって構いませんので。」
そう言って佳奈の元へ行こうとすると
手首を掴まれ引き戻される
「ちょっと待てよ。」
そばにある給湯室に入らされ
壁に押し付けられる
「なにしてんのよ、離して。」
彼を静かに睨む
「久しぶりにお気に入り見つけたのに
忘れてとか困るんだよね。」
さっきの微笑みとは正反対に
黒い笑みを浮かべる彼
「そんなの私に関係ない。
離して。」
彼はふっと笑い
「俺営業部の山本だから。」
そう言って給湯室から出ると
右手を上げた
持っているのは私の家の鍵
「返して欲しかったら営業部に来てくださいね!里奈先輩」
元の爽やかな微笑みで振り返り
そんな言葉を残して去って行った