僕と彼女の秘密の物語。
“きみが愛しい”
いつからそう想うようになったのか、自分でもよく分からない。
気付いたら僕の胸の中には、当たり前のように彼女の存在があった。
「…もっと分かりやすく言ってくれなきゃわからないわ」
「ははっ、そうですね。
つまり美乃梨さん、
僕と恋愛してみませんか?」
僕はそう言って彼女の顔を覗き込んだ。
「友達でもなく、先輩後輩でもなく、僕の“恋人”になってくれませんか」
彼女は大きな瞳をキョトンとさせて僕を見た。
その表情が、一瞬にして笑顔に変わる。
まるで花が咲きほころぶように。
「……あんなことまでして、オトモダチって言ったらぶっ飛ばしてたわよ」
「グーは勘弁してください、グーは」
僕らは顔を見合わせて笑った。
「いっぱいキスして、
いっぱいエッチもしましょうね♪」
「バカ!」
彼女が、そう言って僕の脇腹をどつく。
少し照れたように笑うその表情を見て、
僕は少しだけ、泣きそうになった。
-end-