【完】初めての恋は――。
始まりました
「ねー真美、これでいいんだよね?」
出来たばかりの制服を、友人の赤星真美と早速着てみていた。
「いいんじゃない?ただ亜美は、制服大きいね」
クスクスを笑いながら言う真美に少しだけむかついた。
容姿のことつつかなくてもいいじゃん。
「そんな拗ねた顔しないでよ。亜美可愛いー」
成長期で身長もずいぶんと伸びたはずなのに、周りの子よりも明らかに小さな私。
その容姿を可愛いと言って、真美はすぐに私に抱きついてくる。
今だってそうだ。
小学校でも学年でトップを争う身長の真美と、学年で一番小さな私。
いっつも一緒にいるけど、よく姉妹に間違えられた。
その上真美は、細くて、いままでも中学生に、時には高校生くらいに間違えられていた。
もちろんクラスの男の子たちにもモテモテだった。
それなのに、告白されても「好きな人はいない」と断り続けていた真美。
正直、羨ましかった。
私は――まだ恋もしたことがなかったから。