お嬢様重奏曲!
第十二章 最強たる由縁
学園祭二日目。
司の女装が大人気だと木の葉の耳に入り、二日目は一日中女装するようにと、司は命令された。
司がセレスティア学園の生徒で木の葉が理事長である以上、木の葉の言葉に従うしかなく、司は泣く泣く再び女装する事となった。
そしてその日も美凪が学園へとやってくる。
「なんでまた来たんだよ美凪」
「あら? それ聞くの? じゃあ理由を教えてあげましょうか?」
「遠慮します」
「って言うかその格好で男言葉は止めて。なんか変だから」
「俺…私だって好きでやってるわけじゃねえ…ないわよ」
「無理してるわね」
「っさい! だったら笑うな」
しかも今日は一日中女装の格好でいなくてはならないのだ。
嫌でもため息の回数が増える。
「それで? どうするのよ。あれは」
美凪が真面目な表情で尋ねてくる。
「どうもこうもアクションが無い限りはこっちからは動くつもりはない。俺はここの警備をしているだけだ。怪しいだけじゃ手は出せん」
「なるほどね。まぁいいわ。私もここにいる事だし、何かあったら手伝うわ」
「そっか。サンキューな美凪」
「どう致しまして。ほらっもうすぐ時間でしょ? 私だったら一人で大丈夫だから」
「ん。悪いな。んじゃまた後でな」
美凪と別れた司は早速見回りを開始した。
知らない人間ならば素通りなのだが、少しでも知っている人間、つまり学園の生徒は楽しげに、司を見ていたり、話し掛けてきたりなど、司の精神的疲労は一日目よりも酷かった。
それでも無視するわけにはいかず、それなりの対応で乗り切るも司への攻撃は止む事がなかった。
「こりゃ木の葉さんか琉菜さんの仕業だな」
二人の考えそうな事である。二人で企んだ可能性の方があったりなかったり。
先ほどからいまだ言い慣れていないご機嫌ようの挨拶をする度に、大事な何か が無くなっていくような気がしてならなかった。
「………はぁ。とにかく。今日一日だ。今日一日を無事乗り切れば」
しかし司の願いなど届くはずもなく、学園祭二日目は大波乱の上に、学園に来て最も過酷な一日となるのだった。
司の女装が大人気だと木の葉の耳に入り、二日目は一日中女装するようにと、司は命令された。
司がセレスティア学園の生徒で木の葉が理事長である以上、木の葉の言葉に従うしかなく、司は泣く泣く再び女装する事となった。
そしてその日も美凪が学園へとやってくる。
「なんでまた来たんだよ美凪」
「あら? それ聞くの? じゃあ理由を教えてあげましょうか?」
「遠慮します」
「って言うかその格好で男言葉は止めて。なんか変だから」
「俺…私だって好きでやってるわけじゃねえ…ないわよ」
「無理してるわね」
「っさい! だったら笑うな」
しかも今日は一日中女装の格好でいなくてはならないのだ。
嫌でもため息の回数が増える。
「それで? どうするのよ。あれは」
美凪が真面目な表情で尋ねてくる。
「どうもこうもアクションが無い限りはこっちからは動くつもりはない。俺はここの警備をしているだけだ。怪しいだけじゃ手は出せん」
「なるほどね。まぁいいわ。私もここにいる事だし、何かあったら手伝うわ」
「そっか。サンキューな美凪」
「どう致しまして。ほらっもうすぐ時間でしょ? 私だったら一人で大丈夫だから」
「ん。悪いな。んじゃまた後でな」
美凪と別れた司は早速見回りを開始した。
知らない人間ならば素通りなのだが、少しでも知っている人間、つまり学園の生徒は楽しげに、司を見ていたり、話し掛けてきたりなど、司の精神的疲労は一日目よりも酷かった。
それでも無視するわけにはいかず、それなりの対応で乗り切るも司への攻撃は止む事がなかった。
「こりゃ木の葉さんか琉菜さんの仕業だな」
二人の考えそうな事である。二人で企んだ可能性の方があったりなかったり。
先ほどからいまだ言い慣れていないご機嫌ようの挨拶をする度に、大事な何か が無くなっていくような気がしてならなかった。
「………はぁ。とにかく。今日一日だ。今日一日を無事乗り切れば」
しかし司の願いなど届くはずもなく、学園祭二日目は大波乱の上に、学園に来て最も過酷な一日となるのだった。