お嬢様重奏曲!
「大丈夫か? みんな」
安全を確認してから教室を見渡す。
「はい。私たちは大丈夫ですけど」
返事をしたのは薫だけだった。
「そか。なら良かった」
「ちょう待ちや。司」
美琴はいつもとは違い、険しい表情を見せていた。
「なんだ?」
「なんやねん。今の。まるで魔法みたいやんか。急に人が消えたり、なんかグニャグニャしたもんが突然出たり、おかしいやろ」
ここまでして隠し通せるものではないだろう。
いやこれは初めから覚悟している。
「ああ。お察しの通り俺は、いや御影家は魔法使いの一族だ」
「御影家? って事は理事長や美凪ちゃんもかいな」
「そうなるな」
「なんで……なんで黙っとったん? そないな面白い事を!」
「………………え?」
「だってせやろ? 司が魔法使いやって初めから知っておったら、色々仕事押し付けられたんやで!」
「…………あ、あの美琴さん?」
いまいち状況が理解出来ず、司は混乱する。
「つまりですね? 司様が例え魔法使いであっても、私たちは変わらないと言う事です」
「その通りですわ。御影君は御影君なのでしょう? あなたが魔法使いだからとて、今までが消えなくなるわけではありませんわ」
咲枝のそして桜子の優しい言葉が司を救う。
「サンキューな。皆」
照れながら、クラスメートに礼をすると、刻羽へと振り返る。
「さて。刻羽さん。もういいよ」
「まさか驚きだよ。いきなり今は静かにって、司君の声が頭に響いてくるんだもん」
司は刻羽が口を開こうとしたところを、念話で指示を出していたのだ。
「ばれちゃったついでに、刻羽さんの目、見えるようにしてあげようか?」
司の突然の言葉に刻羽は驚く。
「な、何言ってるんだよもう。そう言ってくれるのは嬉しいけど、診てもらったお医者さんにもう治らないって言われたんだから」
「そっか。でも俺なら治せるかも知れない。これは刻羽さんの気持ち次第だよ。要は俺を信じるか信じないか、だ」
少し考える素振りを見せた刻羽だったが、しばらくして子供のように頬を膨らませる。
「ずるいよ。司君。司君にそこまで言われたら信じるしかないじゃない」
「ハハッ。ゴメンゴメン。そんじゃ始めようか」
司は刻羽を椅子に座らせると、魔力を集中させていった。
安全を確認してから教室を見渡す。
「はい。私たちは大丈夫ですけど」
返事をしたのは薫だけだった。
「そか。なら良かった」
「ちょう待ちや。司」
美琴はいつもとは違い、険しい表情を見せていた。
「なんだ?」
「なんやねん。今の。まるで魔法みたいやんか。急に人が消えたり、なんかグニャグニャしたもんが突然出たり、おかしいやろ」
ここまでして隠し通せるものではないだろう。
いやこれは初めから覚悟している。
「ああ。お察しの通り俺は、いや御影家は魔法使いの一族だ」
「御影家? って事は理事長や美凪ちゃんもかいな」
「そうなるな」
「なんで……なんで黙っとったん? そないな面白い事を!」
「………………え?」
「だってせやろ? 司が魔法使いやって初めから知っておったら、色々仕事押し付けられたんやで!」
「…………あ、あの美琴さん?」
いまいち状況が理解出来ず、司は混乱する。
「つまりですね? 司様が例え魔法使いであっても、私たちは変わらないと言う事です」
「その通りですわ。御影君は御影君なのでしょう? あなたが魔法使いだからとて、今までが消えなくなるわけではありませんわ」
咲枝のそして桜子の優しい言葉が司を救う。
「サンキューな。皆」
照れながら、クラスメートに礼をすると、刻羽へと振り返る。
「さて。刻羽さん。もういいよ」
「まさか驚きだよ。いきなり今は静かにって、司君の声が頭に響いてくるんだもん」
司は刻羽が口を開こうとしたところを、念話で指示を出していたのだ。
「ばれちゃったついでに、刻羽さんの目、見えるようにしてあげようか?」
司の突然の言葉に刻羽は驚く。
「な、何言ってるんだよもう。そう言ってくれるのは嬉しいけど、診てもらったお医者さんにもう治らないって言われたんだから」
「そっか。でも俺なら治せるかも知れない。これは刻羽さんの気持ち次第だよ。要は俺を信じるか信じないか、だ」
少し考える素振りを見せた刻羽だったが、しばらくして子供のように頬を膨らませる。
「ずるいよ。司君。司君にそこまで言われたら信じるしかないじゃない」
「ハハッ。ゴメンゴメン。そんじゃ始めようか」
司は刻羽を椅子に座らせると、魔力を集中させていった。