お嬢様重奏曲!
司の言葉を聞いた桜子の表情には疑惑と驚愕そして恐怖の色が混ざりあっていた。
「失礼ですが今のお話しは事実なのですか?」
「ああ。俺的にはある意味不幸だけど、紛れも無い事実だ」
「そうだったんですか。私もビックリしました」
となぜか薫までもが一緒になって驚いている。
「いやいや。なんで神楽さんがそこで驚く?」
「せやで。薫かて司の事を御影さんて呼んでたやんか。普通気付くやろ」
「ふぇ? そうなんですか?」
そこでなぜか薫は司に尋ねる。
「いや。俺に聞かれても」
「そ、そうですよね?」
薫は恥ずかしさから頬を紅く染める。
「なあ? 桜塚」
薫から少し離れ美琴にだけ聞こえる声で尋ねる。
「なんや?」
「もしかして神楽さんって…」
司が何を言いたいのか察したらしく、肩を軽く叩き首を振る。
「みなまで言わんでも分かってる。つまりはそういう事や」
司が思っていたとおり薫には少し天然が入っているようだ。
司はそれ聞いて苦笑するしかなかった。
「先ほどは失礼しました。御影司さん。私は幸路桜子と申します。以後よろしくお願いします」
「いや、こっちこそよろしく」
桜子の様子が先ほどとは打って変わって、穏やかになっていた。どうやら疑いは晴れたらしい。
「それで。御影さんはどちらのお部屋に? 私が記憶している限りでは空いているお部屋は、もう無かったはずですが」
「あ〜それなんだけど」
「司の部屋は最上階やで」
司の代わりに美琴が答える。
「最上階、ですか? しかし最上階は」
桜子の表情も薫や美琴と同様に曇った。
どうやらよほど酷い場所らしい。
しかし仮にもセレブが使う寮なのだ。雨漏りやネズミが出て来る事はないだろう。
むしろ人目が少なく使う生徒がいないと言うのは、司にとって正直ありがたくもあった。
これから学生として過ごす以上は件数も減るし条件も付くだろうが、家業での仕事の依頼もあるだろう。
そうなれば普通に部屋を与えられていれば仕事もやり辛くなるはずである。
「ほんじゃまぁ、部屋に行こうか?」
「そうですね? お部屋の整理もありますから」
「そうだな? それじゃ幸路さん。俺らはこれで」
「分かりました。それではご機嫌よう」
桜子と別れ三人はいよいよ最上階へと向かった。
「失礼ですが今のお話しは事実なのですか?」
「ああ。俺的にはある意味不幸だけど、紛れも無い事実だ」
「そうだったんですか。私もビックリしました」
となぜか薫までもが一緒になって驚いている。
「いやいや。なんで神楽さんがそこで驚く?」
「せやで。薫かて司の事を御影さんて呼んでたやんか。普通気付くやろ」
「ふぇ? そうなんですか?」
そこでなぜか薫は司に尋ねる。
「いや。俺に聞かれても」
「そ、そうですよね?」
薫は恥ずかしさから頬を紅く染める。
「なあ? 桜塚」
薫から少し離れ美琴にだけ聞こえる声で尋ねる。
「なんや?」
「もしかして神楽さんって…」
司が何を言いたいのか察したらしく、肩を軽く叩き首を振る。
「みなまで言わんでも分かってる。つまりはそういう事や」
司が思っていたとおり薫には少し天然が入っているようだ。
司はそれ聞いて苦笑するしかなかった。
「先ほどは失礼しました。御影司さん。私は幸路桜子と申します。以後よろしくお願いします」
「いや、こっちこそよろしく」
桜子の様子が先ほどとは打って変わって、穏やかになっていた。どうやら疑いは晴れたらしい。
「それで。御影さんはどちらのお部屋に? 私が記憶している限りでは空いているお部屋は、もう無かったはずですが」
「あ〜それなんだけど」
「司の部屋は最上階やで」
司の代わりに美琴が答える。
「最上階、ですか? しかし最上階は」
桜子の表情も薫や美琴と同様に曇った。
どうやらよほど酷い場所らしい。
しかし仮にもセレブが使う寮なのだ。雨漏りやネズミが出て来る事はないだろう。
むしろ人目が少なく使う生徒がいないと言うのは、司にとって正直ありがたくもあった。
これから学生として過ごす以上は件数も減るし条件も付くだろうが、家業での仕事の依頼もあるだろう。
そうなれば普通に部屋を与えられていれば仕事もやり辛くなるはずである。
「ほんじゃまぁ、部屋に行こうか?」
「そうですね? お部屋の整理もありますから」
「そうだな? それじゃ幸路さん。俺らはこれで」
「分かりました。それではご機嫌よう」
桜子と別れ三人はいよいよ最上階へと向かった。