お嬢様重奏曲!
第十三章 魔法使いと新たな一歩
校内には桜が咲き乱れ初々しいお嬢様たちが、表情を輝かせ校舎へと向かっていた。
「……俺は二年にもなってこんなとこで何をしてるんだろう」
胸からプラカードを提げて新入生たちを一人迎えていた。
そう司は去年と同じく木の葉の依頼で、入学式の警備をしているのだ。
当然、何も知らない新入生たちは司の横を通り過ぎると、何やらひそひそと囁きあっていた。
「何だか切ない」
一年経とうがなかなか周りは女の子で、男は一人と言う状況には慣れる事が出来なかった。
「くっそ〜。木の葉さんめ。覚えてろよ」
なんて一人呟いてみたりする。
「おはようございます。司さん」
「おはようさん。ってなんや朝から冴えない顔してんねん」
「司様。おはようございます」
「ん。おはよう。薫さん、美琴、咲枝さん」
久しぶりに会う三人に挨拶を交わす。
「もしかして司さん」
薫が胸から提げられているプラカードに気付き、指を指す。
「そゆ事」
「なんや大変やな。まあ頑張りや?」
言葉とは裏腹に美琴の顔が笑っている。
「美琴さん。司様をからかうものではありませんよ?」
咲枝が少し真面目な表情を見せる。
「まあまあ。咲枝さん。美琴だって本気じゃないんだし」
「ですが」
「相変わらず、賑やかなのね?」
聞き慣れた声に四人は振り返る。
「美凪?」
「お久しぶりね? 司」
「美凪ちゃんがここにいるって事はもしかして」
薫の言葉に美凪は頷いた。
「ええ。お察しの通り、私も今日からセレスティア学園に通う事になりました。神楽先輩」
「んなっ! 聞いてねえぞ! んな事」
一番驚いていたのは司だった。
「そりゃそうでしょうね? 私だって知らされたのは、つい最近だもの。宗主様から直々の御命令でしたし」
「あんのクソ親父。また木の葉さんと企んで」
「でしょうね? お二人のやりそうなものですもの」
反論どころか賛同出来る美凪の言葉に、司は肩を大きく落とす。
「………なんだかなぁ」
「そんな事よりもこの状況がとんでもない事だって、分かってるの?」
「……分かってるさ。こんなアホらしい事、気付かない方がおかしいだろうが」
「……俺は二年にもなってこんなとこで何をしてるんだろう」
胸からプラカードを提げて新入生たちを一人迎えていた。
そう司は去年と同じく木の葉の依頼で、入学式の警備をしているのだ。
当然、何も知らない新入生たちは司の横を通り過ぎると、何やらひそひそと囁きあっていた。
「何だか切ない」
一年経とうがなかなか周りは女の子で、男は一人と言う状況には慣れる事が出来なかった。
「くっそ〜。木の葉さんめ。覚えてろよ」
なんて一人呟いてみたりする。
「おはようございます。司さん」
「おはようさん。ってなんや朝から冴えない顔してんねん」
「司様。おはようございます」
「ん。おはよう。薫さん、美琴、咲枝さん」
久しぶりに会う三人に挨拶を交わす。
「もしかして司さん」
薫が胸から提げられているプラカードに気付き、指を指す。
「そゆ事」
「なんや大変やな。まあ頑張りや?」
言葉とは裏腹に美琴の顔が笑っている。
「美琴さん。司様をからかうものではありませんよ?」
咲枝が少し真面目な表情を見せる。
「まあまあ。咲枝さん。美琴だって本気じゃないんだし」
「ですが」
「相変わらず、賑やかなのね?」
聞き慣れた声に四人は振り返る。
「美凪?」
「お久しぶりね? 司」
「美凪ちゃんがここにいるって事はもしかして」
薫の言葉に美凪は頷いた。
「ええ。お察しの通り、私も今日からセレスティア学園に通う事になりました。神楽先輩」
「んなっ! 聞いてねえぞ! んな事」
一番驚いていたのは司だった。
「そりゃそうでしょうね? 私だって知らされたのは、つい最近だもの。宗主様から直々の御命令でしたし」
「あんのクソ親父。また木の葉さんと企んで」
「でしょうね? お二人のやりそうなものですもの」
反論どころか賛同出来る美凪の言葉に、司は肩を大きく落とす。
「………なんだかなぁ」
「そんな事よりもこの状況がとんでもない事だって、分かってるの?」
「……分かってるさ。こんなアホらしい事、気付かない方がおかしいだろうが」