お嬢様重奏曲!
「さて。俺も大講堂に行くか」
去年と同じく入学式が始まると大講堂の中で待機する事になる。
「それにしても、なんで俺は警備をしてたのに、あいつは普通に入学なんだ?」
本当に去年と同じならば同じ御影を受け継ぐ美凪だって、警備の仕事をしていてもいいはずである。
「だって一回やれば十分でしょ? それにあんたが男だったから面白いんじゃないの」
これが司が尋ねた時の木の葉の答えだった。
「冗談ではない!」
まるで仮面を被り三倍の速さでロボットを動かす、パイロットのようなセリフを口にしてみる。
「ふっ。君には分からんさ。ボーヤだからな」
木の葉もまた赤っぽい流れ星みたいなあだ名のパイロットなセリフを言って返す。
「そんな事より司」
「なんですか?」
「今回は入学式が始まったら、私の側にいなさい」
「はぁ? 何でだよ」
「その方が面白いから」
思わず目眩を起こしてしまいそうだった。
「んな事したら、目立ってしょうがねえじゃねえか!」
「あら? 嬉しくないって言うの?」
「あんたはどんだけ自分とこの次期当主を辱めれば、気が済むんだよ!」
「心外だわ! そんなの司が正式に当主になるまでに決まってるじゃないの」
「最もらしく言うな! 第一、ここを狙うような連中の気配なんざ、微塵も感じねえよ!」
「ふ〜ん。そんな事言うんだ?」
木の葉の表情が怪しく輝く。
「な、何だよ?」
「司、私がどんな立場だか分かってる?」
「ぐっ………」
それを言われると、司は何も言えなかった。
木の葉はセレスティア学園の理事長であり、現在司に仕事を依頼している依頼主なのだ。
「ホッホッホ。悔しかったら、正式に御影宗家を受け継いでから、言う事ね」
「ちくしょう。魔女め」
「さっ分かったら、さっさと準備する」
「……分かったよ」
司はとうとう諦め肩を落とす。
きっとこの先ずっとこの人には口では勝てないだろう、と心の中で涙を流しながら。
入学式が始まると、礼儀には厳しいお嬢様だけあって静かではあったが、少しばかりのざわめきと視線が司に向けられていた。
去年と同じく入学式が始まると大講堂の中で待機する事になる。
「それにしても、なんで俺は警備をしてたのに、あいつは普通に入学なんだ?」
本当に去年と同じならば同じ御影を受け継ぐ美凪だって、警備の仕事をしていてもいいはずである。
「だって一回やれば十分でしょ? それにあんたが男だったから面白いんじゃないの」
これが司が尋ねた時の木の葉の答えだった。
「冗談ではない!」
まるで仮面を被り三倍の速さでロボットを動かす、パイロットのようなセリフを口にしてみる。
「ふっ。君には分からんさ。ボーヤだからな」
木の葉もまた赤っぽい流れ星みたいなあだ名のパイロットなセリフを言って返す。
「そんな事より司」
「なんですか?」
「今回は入学式が始まったら、私の側にいなさい」
「はぁ? 何でだよ」
「その方が面白いから」
思わず目眩を起こしてしまいそうだった。
「んな事したら、目立ってしょうがねえじゃねえか!」
「あら? 嬉しくないって言うの?」
「あんたはどんだけ自分とこの次期当主を辱めれば、気が済むんだよ!」
「心外だわ! そんなの司が正式に当主になるまでに決まってるじゃないの」
「最もらしく言うな! 第一、ここを狙うような連中の気配なんざ、微塵も感じねえよ!」
「ふ〜ん。そんな事言うんだ?」
木の葉の表情が怪しく輝く。
「な、何だよ?」
「司、私がどんな立場だか分かってる?」
「ぐっ………」
それを言われると、司は何も言えなかった。
木の葉はセレスティア学園の理事長であり、現在司に仕事を依頼している依頼主なのだ。
「ホッホッホ。悔しかったら、正式に御影宗家を受け継いでから、言う事ね」
「ちくしょう。魔女め」
「さっ分かったら、さっさと準備する」
「……分かったよ」
司はとうとう諦め肩を落とす。
きっとこの先ずっとこの人には口では勝てないだろう、と心の中で涙を流しながら。
入学式が始まると、礼儀には厳しいお嬢様だけあって静かではあったが、少しばかりのざわめきと視線が司に向けられていた。