お嬢様重奏曲!
入学式も無事慎ましく進行していく中、今は木の葉が理事長として壇上に立ち、演説している。
これさえ済んでしまえば入学式など後は終わったようなものである。
しかしその油断が命取りだった。
演説もそろそろ終わりを迎えた頃、木の葉の口からとんでもない言葉が飛び出したのだ。
「……では最後に我がセレスティア学園で唯一の男子生徒である、御影司君から言葉を貰いたいと思います」
「は?」
司は呆然としたまま木の葉を見る。するとそこには子供の様に無邪気で、悪魔の様に笑っている木の葉が見えたのだ。
「ちょっと待ってよ」
当然会場はざわめいている。ここはお嬢様学校で男が通っているなど、本来ならありえない事なのだ。
第一、司は今黒いスーツで制服を着ていない。
「だが木の葉の目が拒否を許さなかった。
「………はあ。ったく」
魔力をスーツに流す。物質変換の魔法により、スーツが制服へと変換した。
「後で覚えておいてよ。木の葉さん」
殺気を込めた視線を送ると、木の葉は冷や汗をかきながらあさってを向いた。
木の葉の立場を考え仕方なく壇上へと上がる。
司の姿が見えると、当然ざわめきが大きくなった。
心の中で涙を流しながらも、マイクに向かって咳ばらいを一つ。
咳ばらいの効果により一時的にではあるが、沈黙が訪れる。
その隙を突いて司は口を開いた。
「ただいま紹介に与りました御影司です。なぜお嬢様学校に男が? と思う方もいると思いますが、そこは考えたら負けです。諦めてください」
一度言葉を止め会場を見渡す。ざわめきはなかったものの、ヒソヒソと囁きあっている。
「さて。俺はもちろん皆さんも三年間ここで学ぶわけですが、俺が言いたい事は一つだけです。どうか未来を諦めず夢を投げ出さないで下さい。未来は自分が決めるなど、安い言葉ですが、偽りではありません」
いつの間にか、小さなざわめきも消え、新入生たちは司の言葉に聴き入っていた。
「未来は皆さんの意志で決まります。夢を叶えてくれるのは自分です。俺も実家の家業を受け継ぎ身なので、通は限られていますが、それでも未来は無数にあり夢は無限に存在します。だからこの学園で未来を見つけ夢を見つけてください。以上です」
言いたい事を言い切り司は静かに会釈した。
これさえ済んでしまえば入学式など後は終わったようなものである。
しかしその油断が命取りだった。
演説もそろそろ終わりを迎えた頃、木の葉の口からとんでもない言葉が飛び出したのだ。
「……では最後に我がセレスティア学園で唯一の男子生徒である、御影司君から言葉を貰いたいと思います」
「は?」
司は呆然としたまま木の葉を見る。するとそこには子供の様に無邪気で、悪魔の様に笑っている木の葉が見えたのだ。
「ちょっと待ってよ」
当然会場はざわめいている。ここはお嬢様学校で男が通っているなど、本来ならありえない事なのだ。
第一、司は今黒いスーツで制服を着ていない。
「だが木の葉の目が拒否を許さなかった。
「………はあ。ったく」
魔力をスーツに流す。物質変換の魔法により、スーツが制服へと変換した。
「後で覚えておいてよ。木の葉さん」
殺気を込めた視線を送ると、木の葉は冷や汗をかきながらあさってを向いた。
木の葉の立場を考え仕方なく壇上へと上がる。
司の姿が見えると、当然ざわめきが大きくなった。
心の中で涙を流しながらも、マイクに向かって咳ばらいを一つ。
咳ばらいの効果により一時的にではあるが、沈黙が訪れる。
その隙を突いて司は口を開いた。
「ただいま紹介に与りました御影司です。なぜお嬢様学校に男が? と思う方もいると思いますが、そこは考えたら負けです。諦めてください」
一度言葉を止め会場を見渡す。ざわめきはなかったものの、ヒソヒソと囁きあっている。
「さて。俺はもちろん皆さんも三年間ここで学ぶわけですが、俺が言いたい事は一つだけです。どうか未来を諦めず夢を投げ出さないで下さい。未来は自分が決めるなど、安い言葉ですが、偽りではありません」
いつの間にか、小さなざわめきも消え、新入生たちは司の言葉に聴き入っていた。
「未来は皆さんの意志で決まります。夢を叶えてくれるのは自分です。俺も実家の家業を受け継ぎ身なので、通は限られていますが、それでも未来は無数にあり夢は無限に存在します。だからこの学園で未来を見つけ夢を見つけてください。以上です」
言いたい事を言い切り司は静かに会釈した。