お嬢様重奏曲!
部屋へ戻る途中でふと美琴が何かを思い出したのか、チャオランの方を見た。
「なんでチャオちゃんはやらんかったん? 魔法使えた方が研究に役立つんちゃうの?」
美琴にしたら鋭い意見である。チャオランも意外な人物から指摘されたため、言葉を詰まらせていた。
「無茶言うなよ。美琴。そいつは無理な相談だ」
司の言葉にチャオランは、はっと顔を見る。
「気付いていた言うアルか」
「当たり前だろ? これでも御影宗家の次期当主だぜ?」
「無理な相談ってどういう事なんですか?」
申し訳なさそうに薫が尋ねる。
「前にごく稀に魔法使いになれない人がいるって言った事覚えてる?」
「はい。覚えています。つまりそれが、チャオちゃんに当たると? しかしなぜですか?」
「簡単に言えばチャオは生まれた時から魔力を意図的に解放出来ない体質なのよ」
司の代わりに美凪が答える。
「もっと分かりやすく言えば魔力はあるけど、魔法は使えないって事。だからチャオは常にマジックキャンセラーを持ち歩いてる」
チャオランの背中を見ると、以前よりコンパクト化された機械を背負っていた。
「…こんな短期間で改良出来るのかよ」
「いずれは腕時計くらいにまでコンパクトにして、出力を今の三倍にするつもりね」
「そ、そうだったんですか。ごめんなさい。私たちだけではしゃいじゃって」
薫が頭を下げる。
「謝る事もないし、気を遣う事もないね。先輩たちだって知らなければ、それは使えないと同じ事ね」
「そうね? チャオに謝りたかったら、せめて真夜のレベルにまで到達してからね」
美凪が呆れた表情で薫を見る。
「そんなんすぐやんか」
美琴の言葉に真夜はダメージを受け、胸を押さえる。
「そりゃ大きな勘違いだな。こっからが大変なんだぞ。美琴と真夜ちゃんとじゃスズメとフェニックス。海で言えばメダカとクジラだな」
「なんや、分かりやすいような分かりづらいような」
「つまり、真夜にして見れば美琴なんて指先一つでダウンさって事だよね? 司君」
「え? ……ま、まあそうだね」
「そ、そそそそそんな! 私なんかそんなに凄くないです。お二人に比べたらそんな」
どうにも自分に自信を持てない真夜は両手をブンブン振って否定していた。
「なんでチャオちゃんはやらんかったん? 魔法使えた方が研究に役立つんちゃうの?」
美琴にしたら鋭い意見である。チャオランも意外な人物から指摘されたため、言葉を詰まらせていた。
「無茶言うなよ。美琴。そいつは無理な相談だ」
司の言葉にチャオランは、はっと顔を見る。
「気付いていた言うアルか」
「当たり前だろ? これでも御影宗家の次期当主だぜ?」
「無理な相談ってどういう事なんですか?」
申し訳なさそうに薫が尋ねる。
「前にごく稀に魔法使いになれない人がいるって言った事覚えてる?」
「はい。覚えています。つまりそれが、チャオちゃんに当たると? しかしなぜですか?」
「簡単に言えばチャオは生まれた時から魔力を意図的に解放出来ない体質なのよ」
司の代わりに美凪が答える。
「もっと分かりやすく言えば魔力はあるけど、魔法は使えないって事。だからチャオは常にマジックキャンセラーを持ち歩いてる」
チャオランの背中を見ると、以前よりコンパクト化された機械を背負っていた。
「…こんな短期間で改良出来るのかよ」
「いずれは腕時計くらいにまでコンパクトにして、出力を今の三倍にするつもりね」
「そ、そうだったんですか。ごめんなさい。私たちだけではしゃいじゃって」
薫が頭を下げる。
「謝る事もないし、気を遣う事もないね。先輩たちだって知らなければ、それは使えないと同じ事ね」
「そうね? チャオに謝りたかったら、せめて真夜のレベルにまで到達してからね」
美凪が呆れた表情で薫を見る。
「そんなんすぐやんか」
美琴の言葉に真夜はダメージを受け、胸を押さえる。
「そりゃ大きな勘違いだな。こっからが大変なんだぞ。美琴と真夜ちゃんとじゃスズメとフェニックス。海で言えばメダカとクジラだな」
「なんや、分かりやすいような分かりづらいような」
「つまり、真夜にして見れば美琴なんて指先一つでダウンさって事だよね? 司君」
「え? ……ま、まあそうだね」
「そ、そそそそそんな! 私なんかそんなに凄くないです。お二人に比べたらそんな」
どうにも自分に自信を持てない真夜は両手をブンブン振って否定していた。