お嬢様重奏曲!
「どうして気付く事が出来たんですか? 魔力感知は出来ないのに」
「ん? ああ。感知パターンを変えれば多少は引っ掛かるぞ? 熱反応とかで。後は…気配ってやつかな?」
「さすがは御影の次期宗主ですね? 私にはそれほどの強さなんてありませんから…」
「それ、本気で言ってるのか?」
「え?」
「いや、なんでもない。ほれっ、さっさと現場を下見に行くぞ」
一瞬司の雰囲気がとても冷たく感じた真夜だったが、今はもういつもの司に戻っていた。
「何してる? 置いてくぞ?」
「あ、待ってください。御影先輩!」
すでに先を歩いている司の背中を、真夜は慌てて追いかけて行った。
「………ここか?」
「はい。ここです」
二人が辿り着いた場所は、いろんなところが壊され放置されている神社跡だった。
とりあえず敷地の中に入り、周囲を見渡していく。
「こりゃ最悪のケースを考えなきゃいけないかもだな」
「…………はい」
二人の前には見る影もないほど、無惨に破壊された境内とその奥にある神を奉る祭壇だった。
「この分だと、多分…いや確実に堕ちてるな」
司の言葉に真夜は体を恐怖で震わせた。
つまり最悪、土地神クラスと戦わなくてはならないからである。
「それほど神格は高くないし、倒す事はまぁ出来るだろう」
「でも誰がこんな酷い事を!」
「さてな? いくら神格が低いと言っても、相手は土地神。よほどの力がなきゃ堕とす事は出来ない。まぁ今は犯人どうこうより堕ちた土地神をどうするかだ」
「そうですね? 土地神様が堕ちてしまった以上、新たな土地神が誕生しますから、地脈が乱れる事はないでしょうが」
「まっ、次の土地神が生まれる前に、堕ちた元土地神を倒してしまおう。主が二人もいると、色々面倒になるからな」
「………そうですね」
真夜の表情が暗くなる。多分、土地神と戦う恐怖からではなく、堕ちた土地神を心配し悲しんでいるのだろう。
しばらく沈んだ後、真夜は無理矢理、顔を上げた。
「御影先輩。視察も済みましたし、今日は戻りましょう」
「………いや。簡単には帰らせてくれなさそうだぜ」
司の表情に緊張が走る。
真夜は慌てて司の視線を追いかけた。
「ん? ああ。感知パターンを変えれば多少は引っ掛かるぞ? 熱反応とかで。後は…気配ってやつかな?」
「さすがは御影の次期宗主ですね? 私にはそれほどの強さなんてありませんから…」
「それ、本気で言ってるのか?」
「え?」
「いや、なんでもない。ほれっ、さっさと現場を下見に行くぞ」
一瞬司の雰囲気がとても冷たく感じた真夜だったが、今はもういつもの司に戻っていた。
「何してる? 置いてくぞ?」
「あ、待ってください。御影先輩!」
すでに先を歩いている司の背中を、真夜は慌てて追いかけて行った。
「………ここか?」
「はい。ここです」
二人が辿り着いた場所は、いろんなところが壊され放置されている神社跡だった。
とりあえず敷地の中に入り、周囲を見渡していく。
「こりゃ最悪のケースを考えなきゃいけないかもだな」
「…………はい」
二人の前には見る影もないほど、無惨に破壊された境内とその奥にある神を奉る祭壇だった。
「この分だと、多分…いや確実に堕ちてるな」
司の言葉に真夜は体を恐怖で震わせた。
つまり最悪、土地神クラスと戦わなくてはならないからである。
「それほど神格は高くないし、倒す事はまぁ出来るだろう」
「でも誰がこんな酷い事を!」
「さてな? いくら神格が低いと言っても、相手は土地神。よほどの力がなきゃ堕とす事は出来ない。まぁ今は犯人どうこうより堕ちた土地神をどうするかだ」
「そうですね? 土地神様が堕ちてしまった以上、新たな土地神が誕生しますから、地脈が乱れる事はないでしょうが」
「まっ、次の土地神が生まれる前に、堕ちた元土地神を倒してしまおう。主が二人もいると、色々面倒になるからな」
「………そうですね」
真夜の表情が暗くなる。多分、土地神と戦う恐怖からではなく、堕ちた土地神を心配し悲しんでいるのだろう。
しばらく沈んだ後、真夜は無理矢理、顔を上げた。
「御影先輩。視察も済みましたし、今日は戻りましょう」
「………いや。簡単には帰らせてくれなさそうだぜ」
司の表情に緊張が走る。
真夜は慌てて司の視線を追いかけた。