お嬢様重奏曲!
「えっと……何かな?」
とりあえず尋ねたものの何となく察していた。
「これからウチら山の中入るんやけど、護衛に就いてくれへん?」
「駄目……ですか?」
断ろうとも思っていたが薫の上目使いの目線に、思わず言葉を飲み込んでしまう。
これが美琴ならば即断っていたが、薫を使うあたり美琴は多少考えているらしい。
「……はあ。分かったよ。木の葉さんにはめられてから、何となく予測はついてた」
「本当ですか? 良かった。それなら準備が出来しだい、玄関に来てもらえますか?」
「って今かよ!」
「それじゃ頼んだで? ほな行こうか」
美琴はしてやったりと悪っぽく笑い、咲枝と薫の背中をを強引押し司の部屋を後にした。
「くっそ! 美琴のやつめ!」
いまさら悔やんでも時すでに遅く、ため息を吐きつつ準備を済ませ、司は部屋を後にしたのだった。
玄関の前までやってきた司は目の前の光景を見て、言葉を失った。
薫たち三人だけだと思っていたのが、そこに待っていたのはクラスメート全員だったのだ。
「……はぁ。しゃーないか。気分転換も兼ねて、面倒見てやるよ」
その言葉にクラスメートは歓喜の声をあげた。
実際護衛と言っても、元々この島は木の葉の所有物なので、それほど危険はなかった。
その間も島のスキャンを忘れなかった。
もしかしたら空中に浮かんでいるかも、と思い上空五千メートルまでスキャンしたものの、何も発見する事が出来なかった。
「ですけど、よくこのお家は落ちる事がありませんね?」
山道の途中にあるツリーハウスで、クラス一行は休憩を取っていた。
ここに来るまでも道が地味に整理されていた事から、獣道ではなく元々出来上がった道だったのだ。
「そりゃ土台もしっかりしてるし、そうそう落っこちる事はないだろう」
「そ、そうですよね?」
「……そうだ。そうだよ! なんでこんな事に気付かなかったんだろう」
今司の中に一筋の道が現れた。
「ありがとう。薫さん。なんとかなりそうだよ」
司は薫の両手を握り、心から感謝した。
「い、いえ。私は別にそんな」
薫は薫で耳まで顔を真っ赤にさせ、今にも湯気が噴き出しそうになっていた。
とりあえず尋ねたものの何となく察していた。
「これからウチら山の中入るんやけど、護衛に就いてくれへん?」
「駄目……ですか?」
断ろうとも思っていたが薫の上目使いの目線に、思わず言葉を飲み込んでしまう。
これが美琴ならば即断っていたが、薫を使うあたり美琴は多少考えているらしい。
「……はあ。分かったよ。木の葉さんにはめられてから、何となく予測はついてた」
「本当ですか? 良かった。それなら準備が出来しだい、玄関に来てもらえますか?」
「って今かよ!」
「それじゃ頼んだで? ほな行こうか」
美琴はしてやったりと悪っぽく笑い、咲枝と薫の背中をを強引押し司の部屋を後にした。
「くっそ! 美琴のやつめ!」
いまさら悔やんでも時すでに遅く、ため息を吐きつつ準備を済ませ、司は部屋を後にしたのだった。
玄関の前までやってきた司は目の前の光景を見て、言葉を失った。
薫たち三人だけだと思っていたのが、そこに待っていたのはクラスメート全員だったのだ。
「……はぁ。しゃーないか。気分転換も兼ねて、面倒見てやるよ」
その言葉にクラスメートは歓喜の声をあげた。
実際護衛と言っても、元々この島は木の葉の所有物なので、それほど危険はなかった。
その間も島のスキャンを忘れなかった。
もしかしたら空中に浮かんでいるかも、と思い上空五千メートルまでスキャンしたものの、何も発見する事が出来なかった。
「ですけど、よくこのお家は落ちる事がありませんね?」
山道の途中にあるツリーハウスで、クラス一行は休憩を取っていた。
ここに来るまでも道が地味に整理されていた事から、獣道ではなく元々出来上がった道だったのだ。
「そりゃ土台もしっかりしてるし、そうそう落っこちる事はないだろう」
「そ、そうですよね?」
「……そうだ。そうだよ! なんでこんな事に気付かなかったんだろう」
今司の中に一筋の道が現れた。
「ありがとう。薫さん。なんとかなりそうだよ」
司は薫の両手を握り、心から感謝した。
「い、いえ。私は別にそんな」
薫は薫で耳まで顔を真っ赤にさせ、今にも湯気が噴き出しそうになっていた。