お嬢様重奏曲!
司を見た三人の印象はどうにも呆れているようだった。
「なんで海にまで来て服着てんねん」
美琴の突っ込み通り、女の子三人は水着なのに対し、司は普通に服を着ていたのだ。
「別に暑くないし…ってかなんで分かった? 俺、まだそこまで教えてないけど」
「美凪さんに指南していただきました。なんでも司様を探すには必須であると」
「美凪のやつ。余計な事をしやがって」
仕方なく上半身だけを起こす。
「ってかいい加減に降りいや」
「あっ。美琴。駄目」
薫の警告は一歩及ばず司の服を掴んだ美琴は、突然宙に浮き出した。
「な、なんやのこれ」
いきなりの無重力体験に美琴はすっかり、戸惑っていた。
「司さんは体の周囲に力場を展開して飛んでるから、下手に近寄ると一緒に浮いちゃうんだよ」
「それ、先に言ってくれへん?」
マヌケな格好で浮いている美琴が肩を落とす。
「だったら手を離せよ。俺が移動させてやっからよ」
だが美琴は手を離そうとしなかった。むしろ先ほどより、強く掴んでいるようにも見える。
「つまり離さへんかったら、司はゆっくり出来ずウチらはこのまんま言う事やな?」
悪っぽく微笑む美琴に司は肩を落とし、美琴を連れて、薫たちの乗っているボートへ移動する。
「分かったよ。俺の負けだ。水着に着替えてくるから、そこら辺で遊んでれ」
「そないな事言うてトンズラする気やろ! そうはいかへんで!」
怒鳴り散らすなり美琴は司を思いきり、突き飛ばした。
「なっ! う、うわ」
ドバシャーン!
司はあえなく背中から海へと倒れ込んでしまった。
「美琴! お前なんて事しやがる!」
「周りが可愛い女の子だらけや言うのに、一人でしっぽりしてた罰や」
「……あのなぁ。まあいいや。とにかく上がらせてくれ」
ボートに上がったものの衣服は濡れて、ビショビショになってしまっていた。
「どうしてくれるんだよ全く」
このままでは風をひいてしまうため、仕方なく上だけでも脱いだ。
「つ、司様。大胆です」
「へえ? なかなかええ体してるやんか」
「凄い筋肉ですね。それに…」
三人の視線が司の体に無数刻まれている、傷痕に注がれていた。
「なんで海にまで来て服着てんねん」
美琴の突っ込み通り、女の子三人は水着なのに対し、司は普通に服を着ていたのだ。
「別に暑くないし…ってかなんで分かった? 俺、まだそこまで教えてないけど」
「美凪さんに指南していただきました。なんでも司様を探すには必須であると」
「美凪のやつ。余計な事をしやがって」
仕方なく上半身だけを起こす。
「ってかいい加減に降りいや」
「あっ。美琴。駄目」
薫の警告は一歩及ばず司の服を掴んだ美琴は、突然宙に浮き出した。
「な、なんやのこれ」
いきなりの無重力体験に美琴はすっかり、戸惑っていた。
「司さんは体の周囲に力場を展開して飛んでるから、下手に近寄ると一緒に浮いちゃうんだよ」
「それ、先に言ってくれへん?」
マヌケな格好で浮いている美琴が肩を落とす。
「だったら手を離せよ。俺が移動させてやっからよ」
だが美琴は手を離そうとしなかった。むしろ先ほどより、強く掴んでいるようにも見える。
「つまり離さへんかったら、司はゆっくり出来ずウチらはこのまんま言う事やな?」
悪っぽく微笑む美琴に司は肩を落とし、美琴を連れて、薫たちの乗っているボートへ移動する。
「分かったよ。俺の負けだ。水着に着替えてくるから、そこら辺で遊んでれ」
「そないな事言うてトンズラする気やろ! そうはいかへんで!」
怒鳴り散らすなり美琴は司を思いきり、突き飛ばした。
「なっ! う、うわ」
ドバシャーン!
司はあえなく背中から海へと倒れ込んでしまった。
「美琴! お前なんて事しやがる!」
「周りが可愛い女の子だらけや言うのに、一人でしっぽりしてた罰や」
「……あのなぁ。まあいいや。とにかく上がらせてくれ」
ボートに上がったものの衣服は濡れて、ビショビショになってしまっていた。
「どうしてくれるんだよ全く」
このままでは風をひいてしまうため、仕方なく上だけでも脱いだ。
「つ、司様。大胆です」
「へえ? なかなかええ体してるやんか」
「凄い筋肉ですね。それに…」
三人の視線が司の体に無数刻まれている、傷痕に注がれていた。