お嬢様重奏曲!
訓練を開始してからどれくらい経っただろう。今、刻羽が最後の一枚を制覇しようとしていた。
「刻羽さん、頑張ってください!」
「江崎先輩。イメージをしっかり」
「うん…任せておいて」
二人に応援され刻羽のモチベーションがぐっと上昇する。
残るは刻羽一人であった。咲枝が予想通り一番でクリアし、それからしばらくして薫がクリアしたのだ。
「いい集中力だな。この分なら今度はいけそうじゃないか?」
「この集中力が持続出来れば、ね。前もいいとこまで行って駄目だったじゃない」
美凪も相変わらず辛口だが、間違った事は言っていなかった。
どうにも刻羽は集中力が途切れがちなのだ。
「構成はほぼ完璧だ。後は確かに集中力の問題だな」
二人の心配をよそに刻羽の魔法は、ほぼ完成しつつあった。だが問題はここからである。
「刻羽さん。まだまだ集中して。まだ発動まで至ってないよ」
司の言葉で途切れかけた刻羽の集中力が、回復した。
そしてようやく刻羽の構成が世界に干渉し、事象として顕現する。
刻羽の目の前に置いてある紙が、ゆっくりと端から崩れ始めていく。
「やった! 出来た」
「刻羽さん。最後まで集中して! 紙が全部崩れるまで成功じゃないからね」
「うわ。うん! 分かった」
自分の魔法が不安定になったのを、感じ取ったのだろう。刻羽は慌てて魔法に集中した。
そして紙が四分の一、二分の一、三分の一まで崩れとうとう最後の一切れも完全に崩れさった。
それを見た刻羽は恐る恐る、司の方を見る。
「うん。今度は文句なしに成功だ。おめでとう! 刻羽さん」
司も安心したのか、その笑顔にも安堵が見えていた。
「……や、やったよ。皆! 私やったよ」
刻羽が駆け出すと司以外全員が刻羽の周りに、集まり喜びを分かち合っていた。その中には当然、美凪やチャオランも混ざっている。
「……さて。そんじゃ、魔法使いになるための最終試験だ」
全員の喜びに水を注すタイミングで、司が口を開いた。
「最終試験、ですか?」
薫が恐る恐る尋ねる。
「ん。そうだよ。別に難しい事じゃない。俺に皆の魔法を見せてもらいたいんだ」
「刻羽さん、頑張ってください!」
「江崎先輩。イメージをしっかり」
「うん…任せておいて」
二人に応援され刻羽のモチベーションがぐっと上昇する。
残るは刻羽一人であった。咲枝が予想通り一番でクリアし、それからしばらくして薫がクリアしたのだ。
「いい集中力だな。この分なら今度はいけそうじゃないか?」
「この集中力が持続出来れば、ね。前もいいとこまで行って駄目だったじゃない」
美凪も相変わらず辛口だが、間違った事は言っていなかった。
どうにも刻羽は集中力が途切れがちなのだ。
「構成はほぼ完璧だ。後は確かに集中力の問題だな」
二人の心配をよそに刻羽の魔法は、ほぼ完成しつつあった。だが問題はここからである。
「刻羽さん。まだまだ集中して。まだ発動まで至ってないよ」
司の言葉で途切れかけた刻羽の集中力が、回復した。
そしてようやく刻羽の構成が世界に干渉し、事象として顕現する。
刻羽の目の前に置いてある紙が、ゆっくりと端から崩れ始めていく。
「やった! 出来た」
「刻羽さん。最後まで集中して! 紙が全部崩れるまで成功じゃないからね」
「うわ。うん! 分かった」
自分の魔法が不安定になったのを、感じ取ったのだろう。刻羽は慌てて魔法に集中した。
そして紙が四分の一、二分の一、三分の一まで崩れとうとう最後の一切れも完全に崩れさった。
それを見た刻羽は恐る恐る、司の方を見る。
「うん。今度は文句なしに成功だ。おめでとう! 刻羽さん」
司も安心したのか、その笑顔にも安堵が見えていた。
「……や、やったよ。皆! 私やったよ」
刻羽が駆け出すと司以外全員が刻羽の周りに、集まり喜びを分かち合っていた。その中には当然、美凪やチャオランも混ざっている。
「……さて。そんじゃ、魔法使いになるための最終試験だ」
全員の喜びに水を注すタイミングで、司が口を開いた。
「最終試験、ですか?」
薫が恐る恐る尋ねる。
「ん。そうだよ。別に難しい事じゃない。俺に皆の魔法を見せてもらいたいんだ」