お嬢様重奏曲!
今年の学園祭は司の言う通り去年よりも盛り上がっていた。それはまるで去年の鬱憤を晴らすかの様で、各クラスの力の入れようは凄いものがあった。
「そういえば司さん。演劇って何時からなんですか?」
「ん? 午後からだよ。その前に打ち合わせがあるから、昼飯食ったら体育館に行かないと駄目だけど」
「そうですか。フフッ。司さんの演劇楽しみです。今から待ち遠しくて、胸がワクワクしてます」
「言っておくけど、演劇は素人だからあんまし期待するなよ?」
「そんな事ないですよ。司さんならきっと上手に決まってます」
「その根拠はどっからくるのか、俺にはさっぱりだな」
「人が仕事中だと言うのに二人でいちゃつくなんて、さすがは宗家の次期当主様だ事」
その言葉に二人は振り返る。するとそこには胸のところで腕を組み、仁王立ちしている美凪の姿があった。
「み、美凪!」
「美凪ちゃん」
「ご機嫌よう。薫さん。司」
「ご、ご機嫌よう。美凪ちゃん」
「なんだよ美凪。仕事はシフト制だろ? 俺だって警備に入るんだ。誰と何してようが自由だろ」
「あら、開き直り? まあいいけど。司はとにかく薫さんは去年の分まで楽しんで下さいね? それでは失礼します」
軽く会釈をすると美凪はそのまま雑踏の中へと消えて行った。
「ったく。結局あいつは何をしにきたんだ?」
「…………さ、さあ? 私にもさっぱりです」
「まあいいや。気を取り直してさっさと回るとするか? うるさいやつに見つかる前にな」
「フフッ。うるさいやつって、もしかして美琴の事ですか? 聞いたら美琴、怒りますよ?」
「それを言うなら名前を言ってないのに、美琴って分かった薫さんも同罪だぜ?
「…あっ!」
薫は一瞬ばつの悪そうな表情を見せるも、すぐに苦笑して見せた。
「後で美琴に謝らなくちゃいけませんね?」
「あ〜気にする事ないって。今頃くしゃみしてるだけさ」
「そうですか? 司さんがそう言うのであれば」
それでもどこか引きずっているようにも見られた。これは優しい薫の性格なのだから、仕方ない事なのだろう。
「そういえば司さん。演劇って何時からなんですか?」
「ん? 午後からだよ。その前に打ち合わせがあるから、昼飯食ったら体育館に行かないと駄目だけど」
「そうですか。フフッ。司さんの演劇楽しみです。今から待ち遠しくて、胸がワクワクしてます」
「言っておくけど、演劇は素人だからあんまし期待するなよ?」
「そんな事ないですよ。司さんならきっと上手に決まってます」
「その根拠はどっからくるのか、俺にはさっぱりだな」
「人が仕事中だと言うのに二人でいちゃつくなんて、さすがは宗家の次期当主様だ事」
その言葉に二人は振り返る。するとそこには胸のところで腕を組み、仁王立ちしている美凪の姿があった。
「み、美凪!」
「美凪ちゃん」
「ご機嫌よう。薫さん。司」
「ご、ご機嫌よう。美凪ちゃん」
「なんだよ美凪。仕事はシフト制だろ? 俺だって警備に入るんだ。誰と何してようが自由だろ」
「あら、開き直り? まあいいけど。司はとにかく薫さんは去年の分まで楽しんで下さいね? それでは失礼します」
軽く会釈をすると美凪はそのまま雑踏の中へと消えて行った。
「ったく。結局あいつは何をしにきたんだ?」
「…………さ、さあ? 私にもさっぱりです」
「まあいいや。気を取り直してさっさと回るとするか? うるさいやつに見つかる前にな」
「フフッ。うるさいやつって、もしかして美琴の事ですか? 聞いたら美琴、怒りますよ?」
「それを言うなら名前を言ってないのに、美琴って分かった薫さんも同罪だぜ?
「…あっ!」
薫は一瞬ばつの悪そうな表情を見せるも、すぐに苦笑して見せた。
「後で美琴に謝らなくちゃいけませんね?」
「あ〜気にする事ないって。今頃くしゃみしてるだけさ」
「そうですか? 司さんがそう言うのであれば」
それでもどこか引きずっているようにも見られた。これは優しい薫の性格なのだから、仕方ない事なのだろう。