お嬢様重奏曲!
そこにはぞろぞろと人だかりが出来ており、少しづつ食堂の奥へと進んでいた。
「なあ? なんだ、あれは」
司が指差した方を二人が見ると、納得したかのように頷きあっていた。
「あ〜あれはですね?」
「ラッキーやな? 自分、あれはこの学園でも超有名な琴崎茜の取り巻きや」
「琴崎茜、ねぇ?」
超有名らしいが司にはさっぱり分からなかった。
しかも司の位置からでは茜の姿を確認する事が出来ないので、どんな顔かも分からなかった。
「なんや? 知らへんなかいな?」
呆れた表情で司を見る美琴。
「仕方ないよ。だって司さんは」
すかさず薫がフォローに入る。
「あのですね? 琴崎茜さんは私たちの一年先輩で、セレスティア学園の剣道部でとっても強いんですよ」
「強いなんてもんやないな。全国大会女子の部で何度も優勝してるし、今では先生も勝てへんくらいやねんから」
「へえ〜。そりゃすげーな」
司は素直に驚いた。素人であろうこの二人が見て、ここまで言わせるのだから腕は本物なのだろう。
「司さんは剣道とか出来るんですか?」
「え? 俺? 剣道はない、かな? 竹刀は握った事あるけど」
「どういう意味や? それ」
美琴が首を傾げるのも当然だろう。
これだけでは分かる人は分かるが、分からない人には分からないだろう。
「俺がやってたのは剣道じゃなくて剣術だから」
司の言葉が聞こえたのか分からないが、取り巻きたちの動きが止まる。
「剣術、ですか?」
「そう。剣術。剣道よりもより実戦的で当て身や投げ技や絞め技だってあるんだ」
「へぇ。凄いんですね。剣術って」
「でもなんで司が剣術なんて使えるん?」
「まぁ家柄の関係で小さい頃からやってた」
魔法使いの一族である御影家では、魔法のみならず体術、剣術、柔術などさまざまな技術を体得させられるのだ。
「じゃあ琴崎先輩と司さん、どちらが強いんですかね?」
サラっと言った薫の言葉はどうやら茜の耳に届いてしまったらしい。
取り巻きたちが二つに別れ、その中心にいた茜がこちらへと歩み寄ってきたのだった。
「なあ? なんだ、あれは」
司が指差した方を二人が見ると、納得したかのように頷きあっていた。
「あ〜あれはですね?」
「ラッキーやな? 自分、あれはこの学園でも超有名な琴崎茜の取り巻きや」
「琴崎茜、ねぇ?」
超有名らしいが司にはさっぱり分からなかった。
しかも司の位置からでは茜の姿を確認する事が出来ないので、どんな顔かも分からなかった。
「なんや? 知らへんなかいな?」
呆れた表情で司を見る美琴。
「仕方ないよ。だって司さんは」
すかさず薫がフォローに入る。
「あのですね? 琴崎茜さんは私たちの一年先輩で、セレスティア学園の剣道部でとっても強いんですよ」
「強いなんてもんやないな。全国大会女子の部で何度も優勝してるし、今では先生も勝てへんくらいやねんから」
「へえ〜。そりゃすげーな」
司は素直に驚いた。素人であろうこの二人が見て、ここまで言わせるのだから腕は本物なのだろう。
「司さんは剣道とか出来るんですか?」
「え? 俺? 剣道はない、かな? 竹刀は握った事あるけど」
「どういう意味や? それ」
美琴が首を傾げるのも当然だろう。
これだけでは分かる人は分かるが、分からない人には分からないだろう。
「俺がやってたのは剣道じゃなくて剣術だから」
司の言葉が聞こえたのか分からないが、取り巻きたちの動きが止まる。
「剣術、ですか?」
「そう。剣術。剣道よりもより実戦的で当て身や投げ技や絞め技だってあるんだ」
「へぇ。凄いんですね。剣術って」
「でもなんで司が剣術なんて使えるん?」
「まぁ家柄の関係で小さい頃からやってた」
魔法使いの一族である御影家では、魔法のみならず体術、剣術、柔術などさまざまな技術を体得させられるのだ。
「じゃあ琴崎先輩と司さん、どちらが強いんですかね?」
サラっと言った薫の言葉はどうやら茜の耳に届いてしまったらしい。
取り巻きたちが二つに別れ、その中心にいた茜がこちらへと歩み寄ってきたのだった。