お嬢様重奏曲!
「………バ、バカナ。タカガニンゲンゴトキガ、ナゼコレホドノチカラヲモッテイル」
最後の一体は呆然と夜空に浮かんでいる。
「それは敗北宣言と思っていいんだな?」
司は一人余裕の表情を浮かべる。
しかし油断なく体を構えている。
「ワレガ…………ワレガサイキョウナノダァァァァァ!!!!」
叫びながら最後の霊体が司へと突進する。
「俺が最強とは言わねえよ。ただ…」
両手を降ろし霊体を睨み付ける。
「ガ………ガッ。グッ…クソッ」
それだけで霊体の突進を止める。
「お前より俺の方が強かった。ただそれだけだ」
無数の不可視の刃が霊体をいくつもに切り刻んでいく。
最後には塵一つなく断末魔の叫びを上げる事なく、消滅したのだった。
「さて。今回の仕事はこれにて終了……………っ、ん? この反応はまさか」
司は慌てて校舎の中へと戻り一階へ駆け降りて行った。
「いや〜やっぱ夜の学校てスリルあるな。薫もそう思うやろ?」
「あうぅ。美琴。もう帰ろうよ?」
「これは良くない事なのでしょう? やはり引き返すべきだと、私も思います」
月の光だけが照明となっている薄暗い廊下を歩いていたのは、美琴と薫そして咲枝の三人だった。
「何言うてんねん。ノートを教室に忘れてきたんは薫やないか。せっかくウチと咲枝が手伝い言うて、ここまで来たのに」
「それは凄い嬉しいけど暗いし怖いし。もう帰ろうよ。ノートは諦めるよ」
「アホ抜かしなや。ここまで来ておいて、引き返せるか」
「………もしかして、美琴さん」
咲枝の言葉に美琴は肩を震わせる。
「な、なんや? 咲枝」
「美琴さんも、怖い?」
「な、ななな。何言うてんねん! ウチが怖いわけないやろ」
「…………先程から比較的明るい場所を歩いているから、私てっきり」
そういう咲枝は全くと言っていいほど、ケロッとしていた。
それが美琴の対抗心に火を付ける。
「さあ! 行くで」
美琴がはぐれぬよう、咲枝の手を掴み歩き出したその時だった。
「コンナトコロデ、ナニヲシテイル」
「み、みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然の声と肩に置かれた手の感覚に美琴は叫び、その場にペタンと座り込んだ。
最後の一体は呆然と夜空に浮かんでいる。
「それは敗北宣言と思っていいんだな?」
司は一人余裕の表情を浮かべる。
しかし油断なく体を構えている。
「ワレガ…………ワレガサイキョウナノダァァァァァ!!!!」
叫びながら最後の霊体が司へと突進する。
「俺が最強とは言わねえよ。ただ…」
両手を降ろし霊体を睨み付ける。
「ガ………ガッ。グッ…クソッ」
それだけで霊体の突進を止める。
「お前より俺の方が強かった。ただそれだけだ」
無数の不可視の刃が霊体をいくつもに切り刻んでいく。
最後には塵一つなく断末魔の叫びを上げる事なく、消滅したのだった。
「さて。今回の仕事はこれにて終了……………っ、ん? この反応はまさか」
司は慌てて校舎の中へと戻り一階へ駆け降りて行った。
「いや〜やっぱ夜の学校てスリルあるな。薫もそう思うやろ?」
「あうぅ。美琴。もう帰ろうよ?」
「これは良くない事なのでしょう? やはり引き返すべきだと、私も思います」
月の光だけが照明となっている薄暗い廊下を歩いていたのは、美琴と薫そして咲枝の三人だった。
「何言うてんねん。ノートを教室に忘れてきたんは薫やないか。せっかくウチと咲枝が手伝い言うて、ここまで来たのに」
「それは凄い嬉しいけど暗いし怖いし。もう帰ろうよ。ノートは諦めるよ」
「アホ抜かしなや。ここまで来ておいて、引き返せるか」
「………もしかして、美琴さん」
咲枝の言葉に美琴は肩を震わせる。
「な、なんや? 咲枝」
「美琴さんも、怖い?」
「な、ななな。何言うてんねん! ウチが怖いわけないやろ」
「…………先程から比較的明るい場所を歩いているから、私てっきり」
そういう咲枝は全くと言っていいほど、ケロッとしていた。
それが美琴の対抗心に火を付ける。
「さあ! 行くで」
美琴がはぐれぬよう、咲枝の手を掴み歩き出したその時だった。
「コンナトコロデ、ナニヲシテイル」
「み、みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然の声と肩に置かれた手の感覚に美琴は叫び、その場にペタンと座り込んだ。