お嬢様重奏曲!
「どうしてまたこんなところに?」
「はい。美琴さんを探していたら、気が付くとこちらの方に」
「…なるほどね」
なんと言うか咲枝、らしい理由だった。
「そういえば咲枝さんって和服なんだね?」
「あの…変、ですか?」
咲枝が不安そうに司の顔を見上げる。
「ん? そんな事全然ないよ。とても似合ってると思うよ」
「…ありがとうございます。司様」
司の答えを聞いて安心したのか表情が明るくなり、顔の赤みも増していた。
会場へ向かう途中、やはり何度かはぐれそうになったが、どうにか会場に到着する事が出来た。
「さて美琴はっと……」
会場の中をざっと見回すと薫と一緒に美琴の姿を発見した。
「咲枝さん。美琴を見つけたから、行こう」
「はい。司様」
美琴のところへ向かう時は更に細心の注意を払う。
これほどの人だと咲枝の実力ならば、簡単に迷子になる事が出来る。
「おーい、美琴」
咲枝とはぐれる前に美琴に声をかける。
「ん? なんや、司やんか。どないしたん…………って言わんでも分かるか」
司が着ているローブの裾を掴んでいる咲枝の姿を見て、美琴は呆れて見せた。
「忙しいのに咲枝のお守りおおきにな? 司」
「美琴さん。そんな言い方しなくても」
本人も自覚があるらしく、その声は小さかった。
「んじゃ俺、仕事に戻るから」
仲良くじゃれあっている三人と別れ、見回りに戻る
「ヤッホー。司君」
それから間もなくしてまた声をかけられた。
振り返るとそこには刻羽の姿があった。
「どうかな? 私のドレス姿。一番私に似合ってる服を選んでもらったんだけど」
その場でくるっと回って見せる刻羽の姿を見て、司は思わず本音を囁く。
「……可愛い」
「えぇ! きれいとかじゃなくて可愛いなの?」
刻羽はショックを受けているようだが、その姿はまさに可愛かった。
普段の仕草だけでも子供っぽいのだが、ドレスによって二乗効果が惜しみなく発揮されている。
ここでただ子供っぽいだけではなく、大人的でもあり可愛さを押し出している感じは、この服を選んだ人の才能だろう。
刻羽を知り尽くしていなければ、まずこのチョイスは出来ないだろう。
「はい。美琴さんを探していたら、気が付くとこちらの方に」
「…なるほどね」
なんと言うか咲枝、らしい理由だった。
「そういえば咲枝さんって和服なんだね?」
「あの…変、ですか?」
咲枝が不安そうに司の顔を見上げる。
「ん? そんな事全然ないよ。とても似合ってると思うよ」
「…ありがとうございます。司様」
司の答えを聞いて安心したのか表情が明るくなり、顔の赤みも増していた。
会場へ向かう途中、やはり何度かはぐれそうになったが、どうにか会場に到着する事が出来た。
「さて美琴はっと……」
会場の中をざっと見回すと薫と一緒に美琴の姿を発見した。
「咲枝さん。美琴を見つけたから、行こう」
「はい。司様」
美琴のところへ向かう時は更に細心の注意を払う。
これほどの人だと咲枝の実力ならば、簡単に迷子になる事が出来る。
「おーい、美琴」
咲枝とはぐれる前に美琴に声をかける。
「ん? なんや、司やんか。どないしたん…………って言わんでも分かるか」
司が着ているローブの裾を掴んでいる咲枝の姿を見て、美琴は呆れて見せた。
「忙しいのに咲枝のお守りおおきにな? 司」
「美琴さん。そんな言い方しなくても」
本人も自覚があるらしく、その声は小さかった。
「んじゃ俺、仕事に戻るから」
仲良くじゃれあっている三人と別れ、見回りに戻る
「ヤッホー。司君」
それから間もなくしてまた声をかけられた。
振り返るとそこには刻羽の姿があった。
「どうかな? 私のドレス姿。一番私に似合ってる服を選んでもらったんだけど」
その場でくるっと回って見せる刻羽の姿を見て、司は思わず本音を囁く。
「……可愛い」
「えぇ! きれいとかじゃなくて可愛いなの?」
刻羽はショックを受けているようだが、その姿はまさに可愛かった。
普段の仕草だけでも子供っぽいのだが、ドレスによって二乗効果が惜しみなく発揮されている。
ここでただ子供っぽいだけではなく、大人的でもあり可愛さを押し出している感じは、この服を選んだ人の才能だろう。
刻羽を知り尽くしていなければ、まずこのチョイスは出来ないだろう。