お嬢様重奏曲!
司が床に座り込みシクシクと泣いていた。
「もしものために用意させて正解だったわね」
「…な〜んか女として悔しいわね」
「そうか? 私は人間として今の行為はどうかと思うが」
元々がスリムで顔立ちも整っていたため、女装した司ははっきり言ってかなりレベルが高かった。
「女装に慣れてもらうため、明日一日は女装で過ごすように。これは理事長命令です」
「そんな! 横暴だ! 職権乱用だ!」
それからも司の意見は全て却下され、司にとって地獄の日々が始まったのだった。
「おはようございます。司さん、起きてますか?」
いつもならば、なんとめない薫の挨拶も今の司にとって、悪魔の囁きであった。
「司さーん。早くしないと遅刻してしまいますよ」
薫の声にも次第に焦りの色が見えてくる。
これ以上はさすがにまずいと判断し、司は意を決しドアを開けた。
「……………えっと、司さん…ですよね?」
薫は不安から隣にいる美琴に尋ねる。
「せやけどここ、司の部屋やで?」
「で、では参りましょうか? 遅刻しちま…してしまいますわよ」
半信半疑のまま薫と美琴は司の後を歩く。
「どゆことかもちろん説明してくれるんよな?」
「…実は」
廊下を歩きながら、これまでのいきさつを二人に話す。
「ナハハハ! さすがは生徒会長と理事長やな」
「もう! 美琴、笑ったら司さんに失礼だよ」
とフォローしてくれているはずの薫も笑いを堪えていた。
「もう好きにしてくれ」
それからと言うもの司はありとあらゆるところで、視線の的となった。
「…いつかぜってー、琉菜さんと木の葉さんは殺す」
「もう。司は今女の子なんやから、そんな事言ったらあかんで?」
「そうですよ。こんなにきれいなのに」
「……せやな? ウチ嫉妬してしまいそうや」
「私も少しだけ」
「俺は一秒でも早く止めたいね。股はスースーするし、髪はじゃまくさいし」
司は腰まである長い髪を払いのける。
成り切るためと言う理由で、司は今かつらを被り、薄くではあるが化粧もしている。胸にはパットをいくつも重ねて付けていた。
「クソッ。これまで生きてきて、一番の屈辱だ」
司の気持ちとは反比例して、周りの反応は上がっていった。
「もしものために用意させて正解だったわね」
「…な〜んか女として悔しいわね」
「そうか? 私は人間として今の行為はどうかと思うが」
元々がスリムで顔立ちも整っていたため、女装した司ははっきり言ってかなりレベルが高かった。
「女装に慣れてもらうため、明日一日は女装で過ごすように。これは理事長命令です」
「そんな! 横暴だ! 職権乱用だ!」
それからも司の意見は全て却下され、司にとって地獄の日々が始まったのだった。
「おはようございます。司さん、起きてますか?」
いつもならば、なんとめない薫の挨拶も今の司にとって、悪魔の囁きであった。
「司さーん。早くしないと遅刻してしまいますよ」
薫の声にも次第に焦りの色が見えてくる。
これ以上はさすがにまずいと判断し、司は意を決しドアを開けた。
「……………えっと、司さん…ですよね?」
薫は不安から隣にいる美琴に尋ねる。
「せやけどここ、司の部屋やで?」
「で、では参りましょうか? 遅刻しちま…してしまいますわよ」
半信半疑のまま薫と美琴は司の後を歩く。
「どゆことかもちろん説明してくれるんよな?」
「…実は」
廊下を歩きながら、これまでのいきさつを二人に話す。
「ナハハハ! さすがは生徒会長と理事長やな」
「もう! 美琴、笑ったら司さんに失礼だよ」
とフォローしてくれているはずの薫も笑いを堪えていた。
「もう好きにしてくれ」
それからと言うもの司はありとあらゆるところで、視線の的となった。
「…いつかぜってー、琉菜さんと木の葉さんは殺す」
「もう。司は今女の子なんやから、そんな事言ったらあかんで?」
「そうですよ。こんなにきれいなのに」
「……せやな? ウチ嫉妬してしまいそうや」
「私も少しだけ」
「俺は一秒でも早く止めたいね。股はスースーするし、髪はじゃまくさいし」
司は腰まである長い髪を払いのける。
成り切るためと言う理由で、司は今かつらを被り、薄くではあるが化粧もしている。胸にはパットをいくつも重ねて付けていた。
「クソッ。これまで生きてきて、一番の屈辱だ」
司の気持ちとは反比例して、周りの反応は上がっていった。