お嬢様重奏曲!
放課後、司は大会に向けての練習のため、道場にいた。
「なあ? 琴崎先輩」
「なんだ? 御影」
「普段もこれくらい、見学者って多いんすか?」
「いや、今日はいつもの倍だな」
「…………そうっすか」
司は肩をガックリと落としながら、他の剣道部員と打ち合う。
「ほらっ。今のとこ、踏み込み甘いよ」
「は、はい。すみません御影さん」
ちなみに今、司が相手をしているのは二年生である。
「はい。んじゃ次」
「ありがとうございました」
頭を下げ、司から離れると、また新しい部員がやってくる。
司は大会出場メンバー全員と手合わせをして、長所と短所を指摘しているのだ。
「結構いい線行ってるけど、打ち込んだ後に油断し過ぎ」
「はい! すみません」
ちなみに今度は三年生である。
「よーし。それじゃ十分休憩しようか」
ようやく顧問の先生から休憩の言葉が出た。
「はぁ〜。しんどい」
司は面を脱いで、中に入れていた髪を外に引き抜く。
「別に長くなくてもいいと、思うんだが」
邪魔くさい髪をいじっていると、数人の生徒が駆け寄ってくる。
「お疲れ様でした。あの…タオルです。良かったらどうぞ」
「ああ。ありがとう。助かるよ」
司が優しく微笑むと、キャーと顔を赤くさせながら、立ち去って行く。
「何なんだ? まっいいか」
司は目を閉じ、大気中から吸収した魔力を体全身に巡らせる。これにより疲労を回復させる。
「さてっと」
司は立ち上がり、先ほどの生徒の元へ向かう。
「サンキュ。ありがとな」
笑顔でタオルを返す。
「い、いえ。そんな」
タオルを受け取った生徒は顔を赤くさせ、俯かせる。
「よし! それじゃ練習を再開させるぞ」
顧問の言葉により練習が再開される。
出場メンバー全員と言う事は当然茜とも当たる事になる。
「今度は先の様にはいかないぞ」
「……ははは。お手柔らかに」
互いに礼をして組み手が始まる。
「さすがは御影だな。やはりあの時は手を抜いていたか」
「いやいや。そんな事」
はっきり言って今の司はいっぱいいっぱいだった。それほど茜は強いのだ。
あの時茜は冷静ではなかったし、今は多少癖を見抜いているため、打ち合えているだけなのだ。
「なあ? 琴崎先輩」
「なんだ? 御影」
「普段もこれくらい、見学者って多いんすか?」
「いや、今日はいつもの倍だな」
「…………そうっすか」
司は肩をガックリと落としながら、他の剣道部員と打ち合う。
「ほらっ。今のとこ、踏み込み甘いよ」
「は、はい。すみません御影さん」
ちなみに今、司が相手をしているのは二年生である。
「はい。んじゃ次」
「ありがとうございました」
頭を下げ、司から離れると、また新しい部員がやってくる。
司は大会出場メンバー全員と手合わせをして、長所と短所を指摘しているのだ。
「結構いい線行ってるけど、打ち込んだ後に油断し過ぎ」
「はい! すみません」
ちなみに今度は三年生である。
「よーし。それじゃ十分休憩しようか」
ようやく顧問の先生から休憩の言葉が出た。
「はぁ〜。しんどい」
司は面を脱いで、中に入れていた髪を外に引き抜く。
「別に長くなくてもいいと、思うんだが」
邪魔くさい髪をいじっていると、数人の生徒が駆け寄ってくる。
「お疲れ様でした。あの…タオルです。良かったらどうぞ」
「ああ。ありがとう。助かるよ」
司が優しく微笑むと、キャーと顔を赤くさせながら、立ち去って行く。
「何なんだ? まっいいか」
司は目を閉じ、大気中から吸収した魔力を体全身に巡らせる。これにより疲労を回復させる。
「さてっと」
司は立ち上がり、先ほどの生徒の元へ向かう。
「サンキュ。ありがとな」
笑顔でタオルを返す。
「い、いえ。そんな」
タオルを受け取った生徒は顔を赤くさせ、俯かせる。
「よし! それじゃ練習を再開させるぞ」
顧問の言葉により練習が再開される。
出場メンバー全員と言う事は当然茜とも当たる事になる。
「今度は先の様にはいかないぞ」
「……ははは。お手柔らかに」
互いに礼をして組み手が始まる。
「さすがは御影だな。やはりあの時は手を抜いていたか」
「いやいや。そんな事」
はっきり言って今の司はいっぱいいっぱいだった。それほど茜は強いのだ。
あの時茜は冷静ではなかったし、今は多少癖を見抜いているため、打ち合えているだけなのだ。