お嬢様重奏曲!
「須藤様、それはどういう事ですか?」
薫が興味津々で琉菜に尋ねる。
「ん? ああ、司君の家はね? ある意味では私たちなんかよりもすんごい家なんだから。下手をしたら足元にも及ばないかもね?」
薫に琉菜はウィンクをして答える。
「琉菜さん。そんなわざわざ勘違いさせるような事、言わないでくださいよ。三人とも誤解しちゃうじゃないですか」
「ふ〜ん。まあ司君がそういうなら、そういう事にしておいて上げるわ。それよりも理事長から聞いたわよ? 四人で別荘で過ごすんですって?」
「え、ええ…まあ」
「司君! やるじゃな〜い。お姉さん、心配して損したわ」
「なんの心配ですか?」
司の質問に琉菜はチッチッチと人差し指を左右に振る。
「それは野暮ってものよ司君。それよりもチャンスなんだから、頑張りなさいよ? あなたたちからも積極的にアクションかけてね?」
琉菜の言葉に薫が一番顔を赤くさせていた。
「それじゃ、お姉さんはここで退散させてもらうわね」
去り際にウィンクをして琉菜は立ち去って行った。
「……やれやれ。琉菜さんは一体何をしにきたのやら」
肩をがっくりと落とし、それでも何とか気を取り直す。
「さて! んじゃ旅行の件だけど、日程はゴールデンウイークの初日から三日でいいんだな?」
「はい。そうです」
「じゃあそれで俺の方もスケジュールを調整しておくな?」
「楽しみやな? ウチらだけの旅行やなんて」
「私初めてです。付き人がいない旅行なんて」
「咲枝にはリードを付けなあかんけどな?」
「美琴さんは意地悪です」
自分でも方向音痴である事を自覚しているために、咲枝は頬を膨らませていた。
「楽しみですね? 司さん。思い出になる旅行にしましょうね」
「ん? ああそうだな。俺もプライベートで旅行した事ないから、楽しみだよ」
「それ本当ですか?」
司の言葉に薫は身を乗り出す。
「あ、ああ。いつも仕事絡みだから、気が休まる事なんてなかったよ」
「ですけど、今回だって」
「今回のメインは旅行だろ? それに女の子を守るのは男として、当然だからな。仕事じゃなくたって薫さんたちを守ってやるさ」
「………司さん」
沈みかけた薫の表情が明るくなった。
薫が興味津々で琉菜に尋ねる。
「ん? ああ、司君の家はね? ある意味では私たちなんかよりもすんごい家なんだから。下手をしたら足元にも及ばないかもね?」
薫に琉菜はウィンクをして答える。
「琉菜さん。そんなわざわざ勘違いさせるような事、言わないでくださいよ。三人とも誤解しちゃうじゃないですか」
「ふ〜ん。まあ司君がそういうなら、そういう事にしておいて上げるわ。それよりも理事長から聞いたわよ? 四人で別荘で過ごすんですって?」
「え、ええ…まあ」
「司君! やるじゃな〜い。お姉さん、心配して損したわ」
「なんの心配ですか?」
司の質問に琉菜はチッチッチと人差し指を左右に振る。
「それは野暮ってものよ司君。それよりもチャンスなんだから、頑張りなさいよ? あなたたちからも積極的にアクションかけてね?」
琉菜の言葉に薫が一番顔を赤くさせていた。
「それじゃ、お姉さんはここで退散させてもらうわね」
去り際にウィンクをして琉菜は立ち去って行った。
「……やれやれ。琉菜さんは一体何をしにきたのやら」
肩をがっくりと落とし、それでも何とか気を取り直す。
「さて! んじゃ旅行の件だけど、日程はゴールデンウイークの初日から三日でいいんだな?」
「はい。そうです」
「じゃあそれで俺の方もスケジュールを調整しておくな?」
「楽しみやな? ウチらだけの旅行やなんて」
「私初めてです。付き人がいない旅行なんて」
「咲枝にはリードを付けなあかんけどな?」
「美琴さんは意地悪です」
自分でも方向音痴である事を自覚しているために、咲枝は頬を膨らませていた。
「楽しみですね? 司さん。思い出になる旅行にしましょうね」
「ん? ああそうだな。俺もプライベートで旅行した事ないから、楽しみだよ」
「それ本当ですか?」
司の言葉に薫は身を乗り出す。
「あ、ああ。いつも仕事絡みだから、気が休まる事なんてなかったよ」
「ですけど、今回だって」
「今回のメインは旅行だろ? それに女の子を守るのは男として、当然だからな。仕事じゃなくたって薫さんたちを守ってやるさ」
「………司さん」
沈みかけた薫の表情が明るくなった。