お嬢様重奏曲!
二日目の着付けや華道などの和風な試験が終わり、全ての試験が終わったところで司はぐっだりとへたりこんでいた。
「………や、やっと終わった。俺、よくやった」
その側で同じ格好をしている生徒が一人。美琴である。
「………やっと地獄から解放された。よくやったでウチ」
「……司さん。それに美琴まで」
「それほど重労働とは思えませんが」
薫の隣で咲枝が首を傾げる。
「ぐっ。やはり成績の差が戦力の決定的差だったちゅーわけや」
「何訳が分からない事言ってるのよ? それなら司さんだって」
「俺は男だぞ? しかも金持ちの息子ってわけでもない。女の子の感性やら金持ちの常識なんか分かるかよ」
「ほら見てみいな。ウチの言う通りやんか」
「もう! 司さんしっかりしてください。美琴もほらっ。せっかく試験が終わったのに」
「薫さんの言う通りですよ? 美琴さん、司様。試験が終わればすぐ学園祭の準備をしなくてはならないのですから」
本人は気付いていないのか、司は学園祭の準備と聞いて、薫の表情が少しだけ暗くなったのを見逃さなかった。
「せやな? ウチのクラスは何にしよか? やっぱ出店がええんと違う? もちろん司も参加するんやろ?」
「ん? 俺か? まぁ出来る限り参加はするけど、当日は無理っぽいかもな」
「どないして?」
「学園祭の警護をしなくちゃならんからな」
「あ〜司なら有り得る。せやけど休憩くらいあるんやろ?」
「当然だろ? ってかなくても貰うさ。高校初めての学園祭だぞ?」
「分かるわ、その気持ち。年に一回のイベントに燃えないんは嘘やな。薫もそう思うやろ?」
「え? うん。そうだね。うん、私もそう思う」
「せやろ? あ〜なんか体がウズウズしてきた」
「今からですか? 美琴さんは気が早いですね」
「フフッ。咲枝さんの言う通りだよ」
「なぁ? 美琴。お前って……いや、やっぱり止めた」
「なんでやねん! めっちゃ気になるやんか」
この時四人は楽しく笑いあっていたが、学園祭の準備が始まろうとしたその日から、薫の姿がセレスティア学園から消えたのだった。
「………や、やっと終わった。俺、よくやった」
その側で同じ格好をしている生徒が一人。美琴である。
「………やっと地獄から解放された。よくやったでウチ」
「……司さん。それに美琴まで」
「それほど重労働とは思えませんが」
薫の隣で咲枝が首を傾げる。
「ぐっ。やはり成績の差が戦力の決定的差だったちゅーわけや」
「何訳が分からない事言ってるのよ? それなら司さんだって」
「俺は男だぞ? しかも金持ちの息子ってわけでもない。女の子の感性やら金持ちの常識なんか分かるかよ」
「ほら見てみいな。ウチの言う通りやんか」
「もう! 司さんしっかりしてください。美琴もほらっ。せっかく試験が終わったのに」
「薫さんの言う通りですよ? 美琴さん、司様。試験が終わればすぐ学園祭の準備をしなくてはならないのですから」
本人は気付いていないのか、司は学園祭の準備と聞いて、薫の表情が少しだけ暗くなったのを見逃さなかった。
「せやな? ウチのクラスは何にしよか? やっぱ出店がええんと違う? もちろん司も参加するんやろ?」
「ん? 俺か? まぁ出来る限り参加はするけど、当日は無理っぽいかもな」
「どないして?」
「学園祭の警護をしなくちゃならんからな」
「あ〜司なら有り得る。せやけど休憩くらいあるんやろ?」
「当然だろ? ってかなくても貰うさ。高校初めての学園祭だぞ?」
「分かるわ、その気持ち。年に一回のイベントに燃えないんは嘘やな。薫もそう思うやろ?」
「え? うん。そうだね。うん、私もそう思う」
「せやろ? あ〜なんか体がウズウズしてきた」
「今からですか? 美琴さんは気が早いですね」
「フフッ。咲枝さんの言う通りだよ」
「なぁ? 美琴。お前って……いや、やっぱり止めた」
「なんでやねん! めっちゃ気になるやんか」
この時四人は楽しく笑いあっていたが、学園祭の準備が始まろうとしたその日から、薫の姿がセレスティア学園から消えたのだった。