お嬢様重奏曲!
「神楽さんだけどね。どうやらゴールデンウイークで刺客に襲われた事が問題になってるみたいなの。神楽財閥の総裁にどうにも目を付けられたようなの」
「だけどあれは俺が」
「ええ。それは向こうも知ってるわ。でも狙われた事実にこだわってるみたいなのよ」
「って事は最大の相手は神楽家総裁なわけだ」
そして下手をすれば神楽家自体と対立する羽目になる。
「だから忘れないで。あなたがいくら個人だと言い張っても、向こうは応じてくれないだろうし、最悪追い返されかねないわよ」
「そりゃそうだよ。個人なら御影を敵に回さずに済むからね」
「まっ頑張りなさい。何かあったら私がフォローしてあげるわ。たいした事は出来ないでしょうけどね」
「そんな事ないよ。ありがとう。木の葉さん」
木の葉に礼を告げると司は理事長室を後にした。
「さて。これからどうしたものか」
相手は日本最大にして世界でもかなりのシェアを持つ神楽財閥の総裁である。下手な小細工など通用しないだろう。
「やっぱ正面から切り込むのがベストなんだろうけど」
しかしそれにはやはり御影司としてでなければ、門前払いされるのが目に見えている。
「どうしたもんかな」
色々と策を考え廊下を歩いていると、向こうから美琴がこちらへ走り寄ってくる。
「こないなとこにおったか。探したで」
「? 何かあったか?」
「何かあったかやあらへんやろ。薫の事や」
「は? いやだってついさっきの事だぞ?」
「ウチの情報網を甘く見んといてや。それよりもかなりやばい事になってるみたいや」
「どういう事だ?」
「情報によると薫は学園を辞めさせられる上に、じいさんが決めた許婚と政略結婚させられそうなんや」
「許婚? 政略結婚? なんだよそれ!」
司はあまりの憤りに思わず壁を叩いていた。
「ウチもどうにかしたいんやけど、桜塚家は昔っから神楽家と友好関係にあるから、手が出せへんねや」
「くそっ! 俺もせめて御影司としてだったら、強引に行けるんだけど」
「それはつまり仕事の依頼としてならば、堂々と薫さんのご実家に迎えると言う事ですね?」
美琴の後ろに咲枝が静かに微笑んでいた。
「だけどあれは俺が」
「ええ。それは向こうも知ってるわ。でも狙われた事実にこだわってるみたいなのよ」
「って事は最大の相手は神楽家総裁なわけだ」
そして下手をすれば神楽家自体と対立する羽目になる。
「だから忘れないで。あなたがいくら個人だと言い張っても、向こうは応じてくれないだろうし、最悪追い返されかねないわよ」
「そりゃそうだよ。個人なら御影を敵に回さずに済むからね」
「まっ頑張りなさい。何かあったら私がフォローしてあげるわ。たいした事は出来ないでしょうけどね」
「そんな事ないよ。ありがとう。木の葉さん」
木の葉に礼を告げると司は理事長室を後にした。
「さて。これからどうしたものか」
相手は日本最大にして世界でもかなりのシェアを持つ神楽財閥の総裁である。下手な小細工など通用しないだろう。
「やっぱ正面から切り込むのがベストなんだろうけど」
しかしそれにはやはり御影司としてでなければ、門前払いされるのが目に見えている。
「どうしたもんかな」
色々と策を考え廊下を歩いていると、向こうから美琴がこちらへ走り寄ってくる。
「こないなとこにおったか。探したで」
「? 何かあったか?」
「何かあったかやあらへんやろ。薫の事や」
「は? いやだってついさっきの事だぞ?」
「ウチの情報網を甘く見んといてや。それよりもかなりやばい事になってるみたいや」
「どういう事だ?」
「情報によると薫は学園を辞めさせられる上に、じいさんが決めた許婚と政略結婚させられそうなんや」
「許婚? 政略結婚? なんだよそれ!」
司はあまりの憤りに思わず壁を叩いていた。
「ウチもどうにかしたいんやけど、桜塚家は昔っから神楽家と友好関係にあるから、手が出せへんねや」
「くそっ! 俺もせめて御影司としてだったら、強引に行けるんだけど」
「それはつまり仕事の依頼としてならば、堂々と薫さんのご実家に迎えると言う事ですね?」
美琴の後ろに咲枝が静かに微笑んでいた。