お嬢様重奏曲!
「……咲枝さん?」
「咲枝。一体何する気やねん」
「ですからお仕事としてならば、問題ないわけですよね?」
「問題がないわけじゃないけど、どうにかなります」
「そうですか」
司の言葉に決心したのかその笑みはとても強かった。
「でしたら私が司様に御依頼いたします」
「え?」
「さ、咲枝?」
司も美琴もいまだ呆然としている。
「依頼内容は薫さんの自由の奪還です。報酬は私のカードで、お好きなだけどうぞ」
咲枝が差し出したのはゴールドカードの更に上である限度額無しの、ブラックカードだった。
「薫さんが助かるのであれば例え何億でも安いものですから」
言葉では強く言っているが咲枝の肩や手が震えているのが分かる。
それも当然だろう。今の咲枝がやろうとしている行為は、神楽家と対立すると言っているものである。
「お引き受けしていただけますか?」
「せやったらウチもや。ここで気張らな友達やあらへんしな」
と美琴も咲枝と同じくブラックカードを差し出す。
「……二人とも」
司は一瞬目を丸くさせ驚くもすぐに力強く微笑む。
「御影家次期当主、守護者御影司。その依頼、引き受けた」
ただし二人が差し出したカードは押し返す。
「報酬は後からもらう。覚悟しといて」
二人の肩を叩き今度は優しく微笑んだ。
「………司様」
「……司、頼んだで」
「頼まれましょう。 何せあの美琴がここまでしおらしくなってんだもんな」
「なっ!」
美琴は顔を赤くさせ言葉を詰まらせる。
「照れるな照れるな」
「べ、別に照れてへんわ!」
「美琴をからかうのはこれくらいにして、俺も準備があるから、明日薫さんの実家に向かう。休む言い訳は頼んだ」
「了解や」
「分かりました。司様。薫さんの事、よろしくお願いいたします」
「おう! 守護者の名に賭けて」
二人と別れ司は寮に戻り、装備の準備をする。
相手は世界屈指の大財閥である。少しでも隙を見せれば、こちらがやられてしまう。
しかも司にとって下手をすれば神楽家だけではなく、御影家まで敵に回してしまう可能性があるのだ。
「咲枝。一体何する気やねん」
「ですからお仕事としてならば、問題ないわけですよね?」
「問題がないわけじゃないけど、どうにかなります」
「そうですか」
司の言葉に決心したのかその笑みはとても強かった。
「でしたら私が司様に御依頼いたします」
「え?」
「さ、咲枝?」
司も美琴もいまだ呆然としている。
「依頼内容は薫さんの自由の奪還です。報酬は私のカードで、お好きなだけどうぞ」
咲枝が差し出したのはゴールドカードの更に上である限度額無しの、ブラックカードだった。
「薫さんが助かるのであれば例え何億でも安いものですから」
言葉では強く言っているが咲枝の肩や手が震えているのが分かる。
それも当然だろう。今の咲枝がやろうとしている行為は、神楽家と対立すると言っているものである。
「お引き受けしていただけますか?」
「せやったらウチもや。ここで気張らな友達やあらへんしな」
と美琴も咲枝と同じくブラックカードを差し出す。
「……二人とも」
司は一瞬目を丸くさせ驚くもすぐに力強く微笑む。
「御影家次期当主、守護者御影司。その依頼、引き受けた」
ただし二人が差し出したカードは押し返す。
「報酬は後からもらう。覚悟しといて」
二人の肩を叩き今度は優しく微笑んだ。
「………司様」
「……司、頼んだで」
「頼まれましょう。 何せあの美琴がここまでしおらしくなってんだもんな」
「なっ!」
美琴は顔を赤くさせ言葉を詰まらせる。
「照れるな照れるな」
「べ、別に照れてへんわ!」
「美琴をからかうのはこれくらいにして、俺も準備があるから、明日薫さんの実家に向かう。休む言い訳は頼んだ」
「了解や」
「分かりました。司様。薫さんの事、よろしくお願いいたします」
「おう! 守護者の名に賭けて」
二人と別れ司は寮に戻り、装備の準備をする。
相手は世界屈指の大財閥である。少しでも隙を見せれば、こちらがやられてしまう。
しかも司にとって下手をすれば神楽家だけではなく、御影家まで敵に回してしまう可能性があるのだ。