お嬢様重奏曲!
「そろそろ学園に着くから降りるよ?」
「はい」
司は薫の体に負担をかけないよう、ゆっくり地上へと降りる。
学園へ向け歩いていいくと、校門の前に二つの人影が見えた。
「美琴! 咲枝さん!」
親友の姿を確認すると薫は二人へと駆け出した。
「薫!」
「薫さん!」
二人も薫の元へと駆け寄った。
「ごめんね? そしてありがとう。司さんから聞いたよ。私のためにごめんね」
「ええねんて。そんな事なんて。薫のためやったら当然やんか」
「薫さんのために出来る事をしたまでです。それに実際、薫さんを助けたのは司様ですし。それに私たちは友達じゃありませんか」
「……うん……うん!」
嬉しさのあまり薫の目から涙が溢れ出る。
「泣くなや薫。ウチまで泣けてくるやんか」
薫につられ美琴も泣き始める。
「良かったです。本当に良かったです」
そしてとうとう咲枝まで涙を流し始めた。
パシャッ。
いつどこから取り出したのか司は、カメラで三人の姿を写真に収めていた。
「なっ! 司」
「つ、司様。酷いです」
二人が涙目で抗議してきたが、司はカメラを高々と掲げる。
「毎度ありぃ。確かに報酬は受け取ったぜ?」
それだけ言い残すと司は三人の元から立ち去って行った。
「ほんまデリカシーちゅうもんがないな」
「いえ。もしかしたら、司様は私たちに気を遣って下さったのかも知れません」
「フフッ。そうですね? 司さんは優しい方ですから」
どこか嬉しそうに微笑んでいる薫を見て、美琴は目を光らせる。
「おやおや〜? いつのまにやらお二人さんの親密度が急上昇してる?」
「それも仕方ありません。何せ司様は薫さんにとってピンチに駆け付けたナイトなのですから」
「ふ、二人とも! 何言ってるんですか! わ、私と司さんはそんな関係じゃ………」
薫の言葉は最後ぼそぼそと聞こえなくなる。
「まぁなにはともあれ。おかえり、薫」
「お帰りなさい。薫さん」
二人の言葉に薫はしばらく呆然としていたが、
「うん! ただいま!」
いつも以上に明るい笑顔を見せたのだった。
「はい」
司は薫の体に負担をかけないよう、ゆっくり地上へと降りる。
学園へ向け歩いていいくと、校門の前に二つの人影が見えた。
「美琴! 咲枝さん!」
親友の姿を確認すると薫は二人へと駆け出した。
「薫!」
「薫さん!」
二人も薫の元へと駆け寄った。
「ごめんね? そしてありがとう。司さんから聞いたよ。私のためにごめんね」
「ええねんて。そんな事なんて。薫のためやったら当然やんか」
「薫さんのために出来る事をしたまでです。それに実際、薫さんを助けたのは司様ですし。それに私たちは友達じゃありませんか」
「……うん……うん!」
嬉しさのあまり薫の目から涙が溢れ出る。
「泣くなや薫。ウチまで泣けてくるやんか」
薫につられ美琴も泣き始める。
「良かったです。本当に良かったです」
そしてとうとう咲枝まで涙を流し始めた。
パシャッ。
いつどこから取り出したのか司は、カメラで三人の姿を写真に収めていた。
「なっ! 司」
「つ、司様。酷いです」
二人が涙目で抗議してきたが、司はカメラを高々と掲げる。
「毎度ありぃ。確かに報酬は受け取ったぜ?」
それだけ言い残すと司は三人の元から立ち去って行った。
「ほんまデリカシーちゅうもんがないな」
「いえ。もしかしたら、司様は私たちに気を遣って下さったのかも知れません」
「フフッ。そうですね? 司さんは優しい方ですから」
どこか嬉しそうに微笑んでいる薫を見て、美琴は目を光らせる。
「おやおや〜? いつのまにやらお二人さんの親密度が急上昇してる?」
「それも仕方ありません。何せ司様は薫さんにとってピンチに駆け付けたナイトなのですから」
「ふ、二人とも! 何言ってるんですか! わ、私と司さんはそんな関係じゃ………」
薫の言葉は最後ぼそぼそと聞こえなくなる。
「まぁなにはともあれ。おかえり、薫」
「お帰りなさい。薫さん」
二人の言葉に薫はしばらく呆然としていたが、
「うん! ただいま!」
いつも以上に明るい笑顔を見せたのだった。