お嬢様重奏曲!
「後は大丈夫そうだな。んじゃ俺、見回りに戻るわ」
「ちょい待ち」
立ち去ろうとした司を美琴が呼び止める。
「ん? なんだよ」
「薫も連れてってくれへん」
「それは別に構わないけど、いいのか?」
事前の打ち合わせで、時間を区切って交代する事になっているはずである。
「構へん。あんな事があってすぐ立ち直れる薫やあらへんしな」
「それは……そう、だけど」
さすがは付き合いが長い親友である。
薫に関して美琴は熟知している。
「ほらっ。行ってきい。薫の抜けた穴はウチが埋めとくから」
「本当にいいの?」
今度は美琴にではなく、クラスメートに尋ねる。
「構いません。ゆっくりしてきてください。薫さん」
「神楽さんはお一人で気負いし過ぎなのです。たまには甘えてみるのも構いません事よ」
咲枝や桜子の意見に他のクラスメートも頷く。
「だってさ? 後は薫次第だけど、どうする?」
司の問い掛けに薫は少し考える素振りを見せる。
「………じ、じゃあ少しだけ」
と遠慮がちに薫が答える。
「少しと言わず午後までゆっくりしたらんかい」
美琴は薫の背中を押し出す。
「薫のエスコート。しっかり任せたで? 司」
「へいへい。任されましょう。そんじゃ行こうか? 薫さん」
「はい。それじゃ皆ありがとうね」
薫は一度頭を下げ先に出て行った司を追い掛けて行った。
「さてっと。どこに行こうか?」
「そうですね? 司さんにお任せします。私、こういうの初めてで」
「いや、それ言ったら俺も初めてなんだけどね」
「あっ。そうでした。ごめんなさい」
「謝る事ないよ。さて、そんじゃどうしようか?」
「その声はもしかして司君だったり?」
後ろから声が聞こえ振り返ってみると、そこには刻羽が立っていた。
「あれ? 刻羽さん」
「やったね! 大当り」
当たった事に喜び刻羽はその場で、子供のようにクルッと回って見せた。
「司さんってもしかして江崎先輩とお知り合いなんですか?」
「あれ? その声は薫ちゃん? 二人が一緒って事はおやおやぁ?」
刻羽は新しいオモチャを見つけたかのように、表情を輝かせた。
「ちょい待ち」
立ち去ろうとした司を美琴が呼び止める。
「ん? なんだよ」
「薫も連れてってくれへん」
「それは別に構わないけど、いいのか?」
事前の打ち合わせで、時間を区切って交代する事になっているはずである。
「構へん。あんな事があってすぐ立ち直れる薫やあらへんしな」
「それは……そう、だけど」
さすがは付き合いが長い親友である。
薫に関して美琴は熟知している。
「ほらっ。行ってきい。薫の抜けた穴はウチが埋めとくから」
「本当にいいの?」
今度は美琴にではなく、クラスメートに尋ねる。
「構いません。ゆっくりしてきてください。薫さん」
「神楽さんはお一人で気負いし過ぎなのです。たまには甘えてみるのも構いません事よ」
咲枝や桜子の意見に他のクラスメートも頷く。
「だってさ? 後は薫次第だけど、どうする?」
司の問い掛けに薫は少し考える素振りを見せる。
「………じ、じゃあ少しだけ」
と遠慮がちに薫が答える。
「少しと言わず午後までゆっくりしたらんかい」
美琴は薫の背中を押し出す。
「薫のエスコート。しっかり任せたで? 司」
「へいへい。任されましょう。そんじゃ行こうか? 薫さん」
「はい。それじゃ皆ありがとうね」
薫は一度頭を下げ先に出て行った司を追い掛けて行った。
「さてっと。どこに行こうか?」
「そうですね? 司さんにお任せします。私、こういうの初めてで」
「いや、それ言ったら俺も初めてなんだけどね」
「あっ。そうでした。ごめんなさい」
「謝る事ないよ。さて、そんじゃどうしようか?」
「その声はもしかして司君だったり?」
後ろから声が聞こえ振り返ってみると、そこには刻羽が立っていた。
「あれ? 刻羽さん」
「やったね! 大当り」
当たった事に喜び刻羽はその場で、子供のようにクルッと回って見せた。
「司さんってもしかして江崎先輩とお知り合いなんですか?」
「あれ? その声は薫ちゃん? 二人が一緒って事はおやおやぁ?」
刻羽は新しいオモチャを見つけたかのように、表情を輝かせた。