十二の暦の物語【短編集】
◇ ◇ ◇ ◇
あれは、今日みたいないきなりの雨の日
私達テニス部と、隼人先輩の居るサッカー部は体育館の同じ空間で部活をしていた

当時の私は五月蝿くて、声も大声で、サッカー部にも、体育館全体にも響き渡る声で、とっても恥ずかしい事を言っていた…



「ねぇー。水月ちゃんは将来何になりたい?」
『ぇえー?何ですか急にー』
「あー、今日ウチのクラスで道徳あってねー?そんな話したから何となぁーく」
『じゃあ先輩の夢は何ですか?』
「ウチ?ウチはぁー、とりあえず実業団とか入りたいなぁー」
『先輩めっちゃ強いから楽勝ですよー』
「ありがとー。で、水月ちゃんは?」
『あたしー?あたしはですねー…』



『ジューンブライドになる事です!!』


「…は?」
『いや、だから、6月に結婚した人は幸せになれるって事じゃないですか?』
「うん。そうだね」

『だから、あたしは6月の花嫁になりたいんです!!!!』
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