十二の暦の物語【短編集】
『母さーーん。葉月達と花火してくるー』
「あーっ。おにいちゃん!明(アキ)も花火するーっ」

サンダルを履いていると、小4の妹がトントン駆けて来た

『はァー?…明はもう寝ろよ』
「えーっ?明も葉月ちゃんと花火したいー…」
『今度一緒にしてやるから。な』

そう言って頭をグリグリしてやると、直ぐに笑顔になった

「うん!」
『よっし』

がちゃん。玄関から出ると花火をすっげぇ持った大和と、青いバケツを持った葉月が待ってた

『おっす』
「明ちゃんも一緒にやれば良かったのにー」
『アホ。小4から夜の11時まで起きてて花火なんて駄目に決まってんだろ。つか俺が母さんに怒られる』
「この前部活から帰ってきた時に喋ったけど、明ちゃん相変わらず可愛いよね」
『そうかァ!?』
「おい葉月ー。俺にばっか持たせんなよー」
「いーじゃん花火くらい」
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