十二の暦の物語【短編集】
◇ ◇ ◇ ◇
「あ、服部 孝君!!インタビューこっちですよ!」
『あ、すんません』

校歌をぐしゃぐしゃになって歌い終わった後、荷物を持って外へ出ようとするとシャッターの音ばかりがする場所に連れられた

《本年優勝校、愛知水原高校主将。服部投手です。優勝おめでとうございます》

『有り難うございます』

《エース投手であり、4番でもあるのは、やはりプレッシャーは大きかったのではないですか?》

『そうっスね。でも、支えてくれる人が部員以外にも沢山居たんで』

《9回裏の逆転ホームランは素晴らしかったですね》

『有り難うございます。打つって約束したんで』

《約束…とは?》

『ベタに、「お前の為に打つ」みたいな。幼馴染に』

《優勝、おめでとうございました!今1番この気持ちを伝えたい人に一言!》
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